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FRBとテーパリングと米国債の関係

 FRBは昨年12月のFOMCにおいて毎月の米国とMBSの購入額を850億ドルから750億ドルに減少させ、量的緩和の縮小、いわゆるテーパリングを開始した。今年1月には650億ドルに縮小。3月に550億ドルに減少させ、今回4月に450億ドルとした。今後は6月17~18日に350億ドル、7月29~30日に250億ドル、9月16~17日に150億ドル、10月28~29日に150億ドルを一気に減らしてゼロとすれば、秋のうちに終了することが予想される。特に何かしらのリスク要因でも出ない限りはテーパリングは着々と進められよう。

 昨年9月にテーパリング開始の思惑から米国の10年債利回りは3%台に一時乗せたものの、9月17日から18日にかけて開催されたFOMCでは予想された量的緩和策の縮小開始を見送った。このため、米10年債利回りは低下し、10月には2.5%近辺に低下した。しかし、再びテーパリングの観測が強まり、12月17日、18日に開催されたFOMCにおいて、量的緩和政策の縮小の開始を9対1の賛成多数で決定した。その後、12月末にかけて再び10年債利回りは3%台に乗せたが、そこで頭打ちとなり、2.6%台近辺に低下し、淡々とテーパリングが開始されるなか2.6%あたりから2.8%あたりでのボックス相場を形成している。

 日本の10年債利回りはここにきて0.6%あたりで落ち着いているが、その要因として市場関係者からも日銀の大規模な国債買い入れが長期金利の上昇を押さえ込んでいるとの見方が多い。たしかに需給面からみるとタイトであり、好需給が相場の下落を押さえ込んでいるとの見方はできなくもないが、それだけで押さえ込めるものであろうか。

 これを確認するために、テーパリングの動向と米国債の動きを確認してみたい。2010年11月3日のFOMCでFRBは2011年6月末まで米国債を6000億ドル追加購入するという追加緩和策(QE2)を決定した。米10年債利回りはすでに2010年4月上旬の4%近辺から低下基調にあり7月には3%割れとなっていた。

 これはたとえば7月21日のバーナンキ議長による上院銀行委員会での証言なども要因とされた。バーナンキ議長は追加緩和の可能性に触れたことに加え、時間軸を意識した発言があったことも要因とされた。しかし、QE2への期待というより、主要因としてはその背景となったギリシャを中心とした欧州の信用不安によるリスク回避の動きといえた。

 2011年8月には米債務上限引き上げの協議難航などが材料視され、それが決着したこともあるが、欧州ではイタリアやスペインの債務問題が今度は浮上するなどしたことで、リスクオフの局面が続き、米10年債利回りは9月あたりから2%割れとなった。

 2012年1月のFOMCでFRBは物価に対して特定の長期的な目標を置いた。このあたりから米10年債利回りは一段と低下し、7月には1.4%を割り込んでいる。9月13日のFOMCでFRBは追加の緩和策を決定し、住宅ローンを担保にした証券であるMBSを毎月400億ドル追加購入することを表明した(QE3)。 さらに超低金利政策を据え置く時期を、2015年半ばまでとして時間軸を延長させた。

 7月以降、米10年債利回りは上昇し、2013年2月には2%台を回復した。これは欧州の信用不安が徐々にではあるが後退してきたことによる。

 テーパリングが開始される前にその思惑で米10年債利回りは2013年4月の1.6%近辺から9月に3%台にまで上昇した。実際に2013年12月にテーパリング開始が決定され、米国債の需給は緩んできたはずだが、むしろ10年債利回りは2014年に入り、2.7%近辺での落ち着いた動きとなっている。このあたりの動きをどう見るか。米国債の動きは需給だけで動くのではなく、外部要因と金融政策の行方の思惑等が交差しながら動いてきたように思われる。

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by nihonkokusai | 2014-05-08 09:38 | 国債 | Comments(0)
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