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日銀の公表文が綺麗になった理由

 3月10日、11日に開催された日銀の金融政策決定会合では、「マネタリーベースが、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」こと、つまり金融政策は前回同様の現状維持を全員一致で決定した。

 日銀は公表文で景気の現状について、「輸出はこのところ横ばい圏内の動きとなっている」として、前回2月の「輸出は持ち直し傾向にある」から下方修正した。しかし、生産については「伸びが幾分高まっている」として、前回の「緩やかに増加している」から上方修正するなど生産と設備投資を上方修正させてでバランスを取った格好に。

 これで日銀は昨年4月4日の「量的・質的金融緩和」の導入以降1年間は、金融政策の変更は行わなかったことになる。黒田総裁は戦力の逐次投入はしないと発言していたが、それを守った格好となった。正確には戦力の逐次投入はしなくて済んだということかもしれないが。

 日銀が決定会合で金融政策を変更したのかどうかを簡単に見分ける方法がある。2月の会合で決定した「貸出増加支援資金供給等の制度見直し」は金融政策の変更ではないのかとの議論もあったが、このあたり簡単に見分けるのには、決定会合終了後に日銀のサイトにアップされる「金融市場調節方針に関する公表文」のタイトルを見れば良い。

 金融政策の変更がなければ、そのタイトルは「当面の金融政策運営について」となっている。2月は「当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給等の延長・拡充、12時28分公表)」と()書きは含まれるが、タイトルは「当面の金融政策運営について」であった。つまり金融政策の変更ではない。これに対し、昨年4月4日の公表文のタイトルは「「量的・質的金融緩和」の導入について」となっており、「当面の金融政策運営について」ではない。金融政策の変更があった際には、その決定されたものが公表文のタイトルに置き換えられているのである。

 この公表文であるが、金融政策決定会合後に日銀のサイトにアップされるものは、その後しばらく経つと別なものに差し替えられている。これについてはツイッター上などでも話題になっていた。会合終了直後にアップされたものは、少し曲がっていたり、汚れのようなものが出ているものが以前にあった。しかも当初アップされたものはコピーアンドペーストなどができない。つまり当初アップされているものは、PDFファイルとかではなく画像データのようであった。

 もちろん当初の画像データとあとで差し替えられるPDFファイルとで、内容に変化はなく、まったく同じ物である。では何故、このように2つのファイルが時間を置いてアップされているのであろうか。

 これには情報漏洩を防ぐ仕組みが影響していると思われる。金融政策決定会合が行われている円卓のある会議室は、外部とは完全に情報が遮断されているとされる。携帯電話などの持ち込みも禁じられているのはむろんだが、行内ネットワークに繋がっている端末もないと思われる。このため、公表文はスタンドアローンのパソコンなどで作られ、それをプリントアウトしたものを画像ファイル形式でスキャンして、スキャンしたものを別の部屋の端末で日銀のサイトにアップしているのではなかろうか(これについては推測の部分も多いことをご了承いただきたい)。

 金融政策決定会合の内容が外部に漏れたらしいということは、かなり以前にあったと思われる。決定会合結果発表前に、一部の放送局が結果を速報していたようなこともあった。最近ではこのような漏洩はなくなったとみられるが、情報漏洩対策のひとつがこの公表文の仕様にも現れているのではなかろうか。

 この公表文の初期バージョンが、前回の会合あたりからだいぶ綺麗になり、曲がらなくなったように思われる。想像するに円卓のある会議室に設置された機器がリニューアルされたのではなかろうか。以前のあの公表文初期バージョンのスキャンデータをみると、機器そのものが、かなり年式の古いものであったように思われる。もしかするとスキャナーとともにパソコンとプリンターも新しいものに置き換えられたのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2014-03-13 06:32 | 日銀 | Comments(0)
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