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短期筋にとって仕掛けやすい地合に

 ウクライナ情勢が緊迫化している。ロシアのプーチン大統領は、ウクライナのロシア系住民を保護するための軍事介入について上院に承認を求め、1日に上院はこれを承認した。これ受け、ウクライナのヤツェニュク首相は「これは脅しではない。わが国への宣戦布告だ」と語り、ウクライナは2日に戦闘準備態勢に入った。ロシア軍はすでに、戦闘はしていないものの海軍基地のあるウクライナ南端のクリミア半島に部隊を展開し、事実上支配下に治めている(以上ロイターの記事より)。

 こうしたなか、米国のケリー国務長官は、ウクライナの主権や領土の保全を支持する姿勢を強調するため、4日に首都キエフを訪れ、暫定政権の幹部らと会談することになった。さらに欧州連合は3日に緊急の外相理事会を開くと伝えられた。加えて、欧米諸国は、6月にソチで開かれる主要8か国(G8)首脳会議のボイコットを検討する方向となった。日本もとりあえず欧米諸国に同調はするようである。

 ウクライナ情勢が緊迫化している最中にあり、1日には中国雲南省昆明市の昆明駅でテロ事件が発生し、北朝鮮は短距離ミサイル2発を発射した。さらには米国の首都ワシントンは大寒波に襲われ、米政府はこの悪天候を理由に首都ワシントンの政府機関を閉鎖するそうである。もちろんこれらとウクライナ情勢には直接の関係性はないと思われるが、リスク回避の動きを強めそうな要因が次々に出ていることは気になるところ。

 先週末の米国市場でも多少なり影響は出ていたが、週明けの東京市場ではリスク回避の動きがさらに強まりつつある。3日の外為市場では安全資産として円が買われ、ドル円は101円30銭近辺、ユーロ円は140円割れとなった。日経平均は下落してのスタートとなり、債券先物は買い戻しが先行した。東京時間で米国債は買われ、ウクライナ情勢の緊迫化により天然ガスや原油価格が上昇してきている。

 ウクライナの地政学的リスクが金融市場に影響を与えつつあり、この問題がさらに深刻化する懸念もある。ロシアの出方次第では、ウクライナの分裂を招く懸念があるとともに、ロシアとその動きを支持する中国に対し、欧米諸国との関係に亀裂が走ることもありうる。このように政治を巡るパワーバランスの変化に日本はどう対処するのか。やや及び腰ともいえる日本政府の対応如何では、これも市場に大きな影響を与えかねないものとなる。

 当面はリスクオフの動きによる円高、株安、債券高の基調が続くと予想され、原油価格の上昇などが株安に拍車をかけてくる恐れがある。ヘッジファンドなど短期勝負の投資家にとっては久しぶりに大きな仕掛を入れやすい地合となりつつあり、相場の動きそのものが大きくなる懸念もある。このような短期筋にとって、先行き不透明感が強いうちは思惑等で揺れ動きやすくなるのが相場でもあり仕掛けやすい。ただし、動く以上は飛び乗り飛び降りも必要で、あまりポジションを引っ張りすぎてもリスクが大きくなる懸念もある。今後の相場変動についてはこのような短期筋の動向を含めて注意する必要がある。

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by nihonkokusai | 2014-03-04 09:51 | 国際情勢 | Comments(0)
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