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伊長期金利が映し出す危機後の姿

 2月17日にイタリアの10年国債の利回りは、一時3.61%となり、2006年1月以来の水準に低下した。2011年11月にイタリアの10年国債の利回りは7%を超えて危険水域に入ったとされたが、そこから見るとイタリアの長期金利は半分程度に下がったといえる。しかも、ギリシャの債務危機が生じた2010年初頭の水準からも切り下がってきている。

 ここにきてのイタリアの長期金利の下落傾向の背景としては、欧州の信用危機が後退しリスクオフの流れが、リスクオンに変わったことがまずひとつ挙げられる。2012年1月初めに7%近辺にあったイタリアの長期金利は同年3月に5%を割り込んでいる。その後いったん6%台に戻されたが、8月あたりから再び低下し、日本ではアベノミクス相場が始まった2012年11月には再び5%を割り込んで低下傾向となった。当然ながらこのイタリアの長期金利の低下にアベノミクスは関係はない。むしろイタリアの長期金利の低下の背景にある欧州危機の後退そのものがアベノミクス相場を引き起こしていたといえるが、それはさておき、2013年5月にイタリアの長期金利は節目とされた4%を割り込むことになる。

 4%あたりまでの低下により、欧州の債務危機によるイタリア国債の売りは止んだとみることができると自分では判断していた。ところがそこからさらにイタリアの長期金利は低下してきている。これにはイタリアのナポリターノ大統領が17日に、レッタ首相の辞任を受けて39歳のレンツィ氏に組閣を要請したことも影響していたと思われる。アベノミクスは民主党政権からの脱却への期待も大きかったが、イタリアではレンツィノミクス的な期待も出ていたのであろうか。

 14日には格付け会社のムーディーズが、経済見通しの改善や借り入れコストの低下に加え公的資金による国内銀行の資本増強を行うリスクが低減していることを評価したとして、イタリアの格付け見通しを引き上げた(ロイター)。格付けそのものはBaa2で据え置いているが、ギリシャ・ショック時に格付け会社の格下げが売りを加速させたように、地合の良いところにこのような格付けのニュースに相場が敏感に反応したことも考えられる。

 イタリアばかりでなく、ポルトガルやスペイン、そして欧州危機震源地のギリシャの国債利回り、つまり長期金利も低下傾向が続いている。欧州の信用危機のひとつの目安がイタリアの長期金利の7%超えにあった。実際に7%は超えたが、そこがピークとなった。そしてそのイタリアの長期金利が4%を割り込んだことで、この長期金利から見る限り欧州危機は去ったといえる。そして、危機後の欧州がどう動くのか。そこに若い首相の登場で期待が高まっている。そんな様子をイタリアの長期金利が映し出しているようにも見える。

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by nihonkokusai | 2014-02-19 10:00 | 国債 | Comments(0)
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