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長期金利0.6%の壁

 2月4日の10年国債(332回債のリオープン)の入札は、最低落札価格が100円00銭。利率が0.6%なので利回りが0.6%ちょうどになる。平均落札価格は100円03銭で、こちらの利回りは0.596%と0.6%を割り込んだ。この10年国債の入札結果は、最低落札価格は予想をやや下回り、テールも前回から流れ、応札倍率も前回から低下するなど、やや弱めの結果となった。この日の332回債の日本相互証券での動きは、0.600~0.615%となっており、0.6%割れはなかった。

 市場参加者へのヒアリングによる集計結果をみると、今回の落札額は前回から数千億円増えていた。10年国債の発行額は変わりはないので、これはつまり不明玉と呼ばれるものの減少を意味していた。

 この国債入札時の不明玉について、具体的に何処がどの程度落としたのかはわからない。大手外資系を含み、集計のヒアリングに参加していないところもあり、こちらが大きく落札した可能性もある。そうではなく、銀行本体や生保などが直接入札して落札した可能性もある。

 後者の投資家がそこそこ大きな割合をこれまで占めていたと仮定すれば、今回は銀行などの投資家が直接落としていなかったのではないかとの推測も働く。あくまで推測ではあるが、それでもこの入札結果発表後の10年債の売られ方などをみると、投資家のニーズはさほど強くなかったように思われる。

 投資家ではなく、プライマリー・ディーラーを中心としたいわゆる業者(証券会社)にとっては、投資家のニーズがさほどなくても日銀という最終投資家(?)が控えており、いずれそのポジションを売却することは可能であり、0.6%の水準でも慎重に落札したと思われる。しかし、それに対して投資家は0.6%割れでの購入は極力控えているようにみえる。

 この10年債利回りの0.6%割れは何故警戒されているのであろうか。昨年からの10年債利回りの推移をみると、直近では昨年10月末から11月初めにかけて0.6%割れとなったが、これは一時的なものとなった。

 その前の0.6%割れは昨年5月初めであったが、その後の10年債利回りは5月23日には1.0%まで上昇した。

 市場参加者の間では、日銀が異次元緩和と呼ばれた量的・質的金融緩和策の導入を決定した前日の0.55-0.56%をひとつの目安にしているようである。日銀が異次元緩和導入の翌日4月5日に、10年債利回りは0.315%まで低下したあと0.620%に上昇した。このあたりからも0.6%割れにはかなり警戒心を抱いているようである。

 日本の10年債利回り、つまり長期金利の0.6%に特別、何かしらの意味はないと思うが、過去の値動きからみて、このように0.6%割れが警戒されている。ここには市場参加者にとって大きな心理的な壁もあるようである。もし何かの材料から、長期金利が0.6%を大きく割り込んでくれば債券相場は新たな展開を迎えることも予想される。特段の意味はなくとも、この長期金利の0.6%はひとつの節目とみておく必要がある。

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by nihonkokusai | 2014-02-06 09:55 | 債券市場 | Comments(0)
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