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円高株安の要因と今後のリスク

 市場にはアノマリーと呼ばれるものがある。はっきりした理論的根拠を持つわけではないものの、経験則からそういうパターンが多いというもので、株式市場では有名な「節分天井、彼岸底」などが代表的なものである。今年は節分天井というわけではないが、3日の米国株式市場でダウ平均は326ドル安と急落しており、4日の東京株式市場も大幅に下落してのスタートとなった。

 米国ではFRB議長が替わると新たな危機が発生するというジンクスもある。グリーンスパン元議長は、就任して2か月後にブラックマンデーに直面した。1月末で退任したバーナンキ議長は、就任後に住宅バブルが崩壊し、その後のサブプライム・ショックやリーマン・ショックへと繋がっていく。

 ただし、2人とも就任式の日の株価は上昇していたそうであるが、イエレン新議長の就任式が行われた3日の米国株式市場は急落し、そのパターンには当てはまらなかった。

 今年に入ってからの米国株式市場の調整や外為市場での円高局面、それによる日本株の下落の背景は、いろいろな要因が重なっていると思われるが、根本的な要因として「正常化」の動きが一巡したことが挙げられよう。

 今年に入っての相場の調整要因として、FRBのテーパリングの開始とそれによる新興国市場への影響、中国の景気への懸念などがあった。しかし、FRBのテーパリングの開始そのものが、世界的な金融経済ショックから立ち直りつつあることを示すものであるように、昨年の市場は非常時のものから正常に戻る過程であったとみることができる。

 アベノミクスにより引き起こされたとされる円安株高もその背景には、世界的なリスクの後退があった。ただし、日米欧の中央銀行は非常時の対応からすぐには抜け出すことはできず、それにより過剰流動性相場が演出され、米国のダウ平均などは昨年末に向けて過去最高値を更新し続けることとなった。

 ところが、今回の世界的な危機を発生させた原因となったギリシャの国債をみると、利回りはすでに2010年の危機発生あたりの水準近くまで低下している。ドル円の動きをみると、すでに危機以前の水準を上回るような円安となっていた。

 市場の動向からみると、ユーロ危機は2012年に収束し、2013年はその反動により株式市場などが活況を呈し、日本ではアベノミクスと騒がれた。しかし、その正常化の動きも一巡しつつあり、その反動が今年に入っての相場の動きに現れているものと思われる。

 年初から日米の株式市場は調整局面となり、外為市場でドル円は年初の105円台からここにきて100円台に円高が進んでいる。FRBがテーパリングを開始し、日銀は追加緩和への思惑も出るなかにあり、この円高の動きは中銀の動向からは説明しづらい。テーパリングが開始されているにもかかわらず、米長期金利はここにきて低下している。長期金利からみた日米金利差縮小からの円高というのもやや無理がある。株安と円高のセットと見た方が素直ではなかろうか。

 それでは今後はどう動くのか。新たな危機の発生でもない限り、あくまで今回の株安は昨年の上昇相場の調整と捉えれば、下値も限られると思われる。自分のディーラー時代から逆張りが得意でなかったので、どの水準で止まるかなどとの予想はここでは控えさせていただきたい。

 ただし、新たな危機が起きるようなことになると、また相場が変わってくる可能性はある。その危機の発信元が日本という可能性もないとは言えない。これは巨大地震とかの災害ではなく、世界的な危機が収斂しつつあるにもかかわらず、異次元の緩和をし続けている日銀の金融政策に対してのリスクが存在しているように思われる。

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by nihonkokusai | 2014-02-05 10:00 | 債券市場 | Comments(0)
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