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2013年下半期の債券相場と今年のリスク

 今回は下半期の債券相場の動向を確認してみたい。

 7月1日に発表された日銀短観では大企業製造業DIがプラス4となり、3月の前回調査から12ポイントも改善した。日経平均は14000円台を回復し、10年債利回りは2日に0.900%に上昇した。5日に発表された6月の米雇用統計では、非農業雇用者数は前月比19.5万人増と予想を上回り、この雇用統計を受けてFRBの量的緩和の縮小は9月にも開始かとの見方が出てきた。7月21日の参院選挙では、自民党が大勝し非改選を含め参議院の安定多数を確保して衆参のねじれが3年ぶりに解消された。ただし、参院選が市場のほぼ予想通りの結果となったことで株は戻り売りに押され、10年債はあっさりと0.8%割れに。

 8月2日に発表された7月の米雇用統計において非農業雇用者数は16.2万人増に。市場予想には届かず、米債は買い戻され日本の10年債利回りも0.8%を割り込む。14日に発表されたユーロ圏の4~6月期の域内GDP速報値は前期比0.3%増とプラスとなり、欧州はリセッションから脱却した。9月のFOMCでの量的緩和縮小観測が強まり、15日に米長期金利は一時2.8%に上昇するものの円債の下値は限られた。シリア情勢の緊迫化などもあり、10年債利回りは0.705%まで低下する場面もあった。

 9月に入り安倍首相は消費増税については10月発表の短観を確認してからと発言し、消費増税の行方は再び不透明となった。。5日にドラギECB総裁は政策理事会後の会見で、ユーロ圏の景気が底入れしつつあるとの認識を示した。好調な米経済指標なども受けて、米10年債利回りは6日の東京時間に3%台に乗せ、6日の日本の10年債利回りは0.790%に上昇した。8日に2020年の夏季オリンピックの東京開催が決まった。サマーズ元米財務長官が、米FRB次期議長の指名を辞退し、これを受けて16日の欧米の株や債券が買われ、米10年債利回りは一時2.8%割れに。日本の10年債利回りは0.715%と8月30日以来の水準に低下した。18日のFOMCでは現状の量的緩和策の維持を決定し、量的緩和縮小は先送りされた。これを受けて18日のダウ平均やS&P500種株価指数は過去最高値を更新した。米債も買われ10年債利回りは2.69%近辺と大きく低下。19日の日本の10年債利回りも5月10日以来の0.7%割れとなった。

 米国では暫定予算案を巡る与野党の攻防は激しさを増し、結局、暫定予算は成立せずに10月1日に政府機関の一部が閉鎖される事態となった。10月1日に発表された日銀短観で大企業の製造業DIはプラス12ポイントと予想を多く上回った。債券は売られる場面もあったものの、10年国債入札が順調な結果となったことに加え、安倍晋三首相が来年4月から消費税率を8%に引き上げると表明したことから、債券は買い戻しの動きを強めた。米国では予算を巡っての与野党協議の解決の糸口は掴めない状況となり、4日に10年債利回りは0.625%と5月10日以来の低水準を付けた。16日に米国では1月15日までの暫定予算案が上下両院で可決され、オバマ大統領の署名で成立した。デフォルトに陥る事態は17日の期限直前で回避され、10月1日から続いていた政府機関の一部閉鎖も解除された。17日の米10年債利回りは2.58%近辺に低下しドイツや英国の国債も大きく買われた。これを受けて18日の10年債利回りは0.615%と5月9日以来の水準に低下した。22日に遅れて発表された9月の米雇用統計で非農業雇用者数は14.8万人増と事前予想を下回った。米10年債利回りは2.5%割れとなり、23日に日本の10年債利回りも0.6%を割り込んだ。

 11月7日にECBは政策理事会で政策金利の0.25%の引き下げを決定した。これを受けて外為市場ではユーロが急落しユーロ円は131円台、ドル円は一時97円台をつけた。8日の10年債利回りは一時1毛強の0.580%と5月7日以来の水準に低下した。11月8日に発表された10月の米雇用統計で失業率は7.3%と予想通りの上昇となったが、非農業雇用者数は予想を大きく上回り前月比20.4万人増に。FRBのテーパリングは早ければ12月のFOMCで決定されるとの見方も出てきたことから、8日の米国市場では債券が大きく売られ米10年債利回りは2.75%に。ドル円は99円台となり、ダウ平均は過去最高値を更新した。14日の海外市場でドル円は100円台をつけ、15日の日経平均は約半年ぶりに15000円台を回復した。10年債利回りは18日に一時0.645%まで上昇した。しかし、その後は押し目買いが入り27日に10年債利回りは0.600%まで低下するなどしっかり。

 米国市場では経済指標等から12月のFOMCでのテーパリング開始決定もありうるとの見方も出たことで、12月4日に米10年債利回りは9月18日以来となる2.85%に上昇した。6日に伊藤隆敏教授(年金運用見直し有識者会議座長)による「GPIFは国内債52%へ削減に今すぐ着手を」との発言も伝わり、10年債利回りは0.680%まで上昇した。6日に発表された11月の米雇用統計で非農業雇用者数は前月比20.3万人増と予想を上回り、失業率も7.0%に低下した。6日の米10年債利回りは2.93%まで上昇したが、すぐに切り返し2.86%に。米国では10日に民主・共和党の超党派委員会が2年間の予算の大枠で合意に至った。FRBのテーパリング開始の大きな障壁がなくなったと意識された。18日のFOMCではテーパリングの開始を賛成多数で決定した。米10年債利回りは2.9%台に上昇したが、不透明感の払拭も意識され、ダウ平均は292ドル高となって過去最高値を更新した。外為市場でドル円は104円台に。東京株式市場で日経平均は大幅続伸となり15800円台に乗せた。10年債利回りは0.675%に上昇した。米国市場ではFRBのテーパリングの開始決定を受けて、株式市場ではそれが可能となるほどの景気の回復が意識され、ダウ平均やS&P500種は連日の過去最高値更新となった。米債は下落し10年債利回りは31日に3.0%台に乗せた。日銀に対しては追加緩和期待もあり、外為市場ではFRBと日銀の金融政策における方向が正反対となっていることで、円安が進行し27日にドル円は105円台をつけた。米株高や円安を受けて日経平均は16000円台を回復し、10年債利回りは0.7%台に乗せた。

 2013年を振り返ると、4月の日銀の異次元緩和で債券相場は揺れ動いたが、次第に市場は落ち着きを取り戻してきた。日銀の国債買入で需給がしっかりしていたことで、日本の長期金利は0.6%を割り込むなどしていたが、下半期は米国の動向が材料視されてきた。10月の米一部政府機関の閉鎖による経済への悪影響も懸念されたが、むしろ雇用等は回復し12月のFOMCではテーパリング開始を決定した。これにより米10年債利回りは3%台に上昇し、日本の10年債利回りも0.7%台に乗せてきた。0.7%台といってもまだまだ低い水準ではあるが、今後も日本の長期金利が低位安定し続けられるかどうかは疑問である。4月には消費増税がスタートし、それによる景気や物価への影響も出てくることが予想され、日銀の追加緩和期待も燻っている。しかし、日銀の追加緩和が果たして債券市場には買い要因となるかどうかは不透明である。大胆な国債買入が財政ファイナンスと認識される懸念もあり、物価も上昇しつつあるなか、いつまでも日本の長期金利が低位安定し続けるとの見方もリスクがあるように思われる。

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by nihonkokusai | 2014-01-15 08:01 | 債券市場 | Comments(0)
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