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来年度の国債発行計画

 12月24日に来年度の政府予算案が閣議決定され、財務省は2014年度の国債発行計画を発表した。これによると新規財源債(建設国債+赤字国債)が41兆2500億円(前年度42兆8510億円)、借換債が122兆1495億円(前年度補正後110兆8074億円)、財投債が16兆円(前年度11兆円)、そして復興債が2兆1393億円(前年度補正後3569億円)となった。

 これにより2014年度の国債の発行総額は181兆5388億円(前年度当初170兆5452億円、補正後167兆6264億円)と、前年度の当初ベースからは10兆9936億円の増加となった。発行総額の181兆5388億円は過去最高となる。新規国債は1.6兆円削減されたが借換債が10兆円規模で増加したことが影響した。

 国債の消化別発行額を見ると、カレンダーベースの市中消化額は、155兆1000億円(前年度当初156兆6000億円)と、1.5兆円減額となった。国債発行総額は前年度、つまり今年度に比べて10兆円以上も増加したのに、入札で発行される国債は何故、減額できるのか。

 カレンダーベースの市中消化額とは、4月から翌年3月にかけて入札により発行される国債の金額である。年度の国債発行総額とは異なる。その理由は入札以外で発行される個人向けの国債や日銀乗換があるとともに、市中消化分には第2非競争入札による発行があり、さらに国債は前倒し発行と出納整理期間内発行が可能なため、年度間の調整分等が存在しているからである。この調整分が12兆6011億円も存在したため、 カレンダーベースの市中消化額は抑えられたのである。これには日銀による異次元緩和による大規模な国債買入により第2非競争入札による追加発行が膨らむなどしたこともあり、来年度前倒し発行分が増加していたことで大きな調整が可能となったと思われる。

 第2非競争入札による予定発行額は4兆4700億円(前年度当初4兆4775億円)となった。年度間調整分については、前年度は前倒し債発行による調整分がマイナス4兆2323億円となっていたのに対し、2014年度はプラス8兆3688億円となった(前年度当初比12兆6011億円増、補正後からは19兆3229億円増)。 つまりその分、市中発行額を抑えることができる。

 日銀乗り換えが11兆1000億円(前年度当初11兆7000億円)、個人向け販売分が2.5兆円(前年度当初2兆円、補正後2.4兆円)。

 買入消却は総額4兆円を上限に実施される。来年度における前倒し債の発行限度額は25兆円となった(前年度当初は20兆円)。

 カレンダーベースの市中消化額は155.1兆円と今年度の156.6兆円から減額される。カレンダーベースでの減額は2008年度以来6年ぶりとなる。内訳は30年国債を1.2兆円、物価連動国債を1兆円、流動性供給入札を1.2兆円増額する。そして2年債を2.4兆円減額、割引短期国債も2.5兆円減額される。

 年限別に観ると、40年債が5月、8月、11月、2月の4回の発行予定で一回あたり0.4兆円と今年度と変わらず。30年債は5月、8月、11月、2月が6000億円、その他の月が7000億円と今年度から一回あたり1000億円上積みされる。20年債は1.2兆円、10年債は2.4兆円、5年債は2.7兆円の毎月発行とこちらは現状維持。2年債は一回あたり2.9兆円から2.7兆円に減額される。1年割引短期国債は今年度の2.5兆円の毎月発行から、2.2兆円を1回、2.3兆円を11回に減額される。今年度も6か月割引短期国債の発行予定はない。10年物の物価連動国債は4000億円を4回となり、今年度の6000億円から増額される。流動性供給入は今年度の毎月0.6兆円から0.7兆円に増額される。

 この結果、カレンダーベース市中発行額の平均償還年限は、8年5か月と前年度当初の7年11か月からさらに長期化される。

 2014年度の公債依存度は2013年度の46.3%から43.0%に低下した。新規財源債の発行は抑制されたが、予算そのものの規模は95兆8823億円と過去最大規模となる。

 債券市場での国債需給に影響するカレンダーベースの発行額については、ほぼ市場からの希望が取り入れられた格好となり、発行体の財務省としても平均償還年限の長期化が図れたことで今後の利払い費用の抑制にも繋がる。国債需給については日銀の国債買入の影響も大きく、国債の信認そのものが維持されている状況では問題はない。これにより今回も翌年度の国債発行計画の発表が、国債市場に大きな影響を与えるようなことは考えづらい。

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by nihonkokusai | 2013-12-26 09:34 | 国債 | Comments(0)
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