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テーパリング開始の障壁のひとつがなくなる

 米国の民主・共和党の超党派委員会が12月10日に、2年間の予算の大枠で合意に至り、このまま上下両院が関連法案を可決すれば、政府機関の再閉鎖といった事態は回避されることになった。

 10月に米政府機関閉鎖を引き起こした財政問題を巡る騒動は、政府に来年2月7日まで国債発行を認めると同時に、閉鎖中の政府機関を再開するため1月15日までの2014会計年度(10月~翌年9月)暫定予算案が成立したことでいったん収まった。しかし、1月15日にこの暫定予算が失効してしまうため、新たな予算案が議会を通過しない限り、再び10月のような米政府機関の閉鎖の懸念があった。

 10月に2週間続いた政府機関の閉鎖については、米経済に大きな影響を与えるであろうとの見方も強かった。しかし、実際にはそれほどの影響は与えていなかった。これは10月、11月の米雇用統計等の経済指標を確認しても明らかである。それでも1月15日までに新たな予算案が通過できないとなれば、不透明要因となることも確かであり、FRBのテーパリング開始決定判断にも大きな影響を与える可能性があった。

 今回、「2年間」の予算の大枠を決めたのは中間選挙の影響も意識したものだとか。政府機関閉鎖に対する批判も強まっており、両院の超党派の合意は上下両院でも可決されると予想される。今度は来年2月7日までに債務上限を引き上げないと、米国債のデフォルト懸念が生じるが、野党・共和党もこれを人質にとった政策は世論の反発を受けかねず、こちらも事前に解決されるであろうと予想される。

 今回の合意により、FRBがテーパリングを決定する際の大きな障壁が、またひとつなくなることになる。米国の雇用も10月と11月の雇用統計を見る限り回復を見せており、こちらの障壁もなくなった。物価動向についてはゴールとはやや乖離してはいるが、これを持ってテーパリングに反対するメンバーは少ないであろう。それよりも米国経済が雇用を含めて回復基調となっているタイミングで、バーナンキ議長の任期中に実施しておきたいはずのテーパリング開始を決定してくる可能性が強まった。12月17日、18日のFOMCでテーパリングを決定したとしてもおかしくはない。

 そういえば12月23日にFRBは創設100周年を迎えるそうである。記念式典等が開かれるかどうかはわからないが、とにかく大きな節目となる。1月のFOMCはバーナンキ議長にとって最後の会合となる。さらに1月以降は連銀からのメンバーが入れ替わるとともに、理事についても入れ替わり等がある可能性がある。報道によると次期FRB副議長の最有力候補に今年6月までイスラエル銀行の総裁だったスタンレー・フィッシャー氏の名前が挙がっているそうである。このような人事の入れ替わりもあり、できれば今年中にテーパリングについては決着を付けたいところではなかろうかと思う。

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by nihonkokusai | 2013-12-13 09:42 | 中央銀行 | Comments(0)
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