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米雇用統計受けてのテーパリングの行方

 ここにきてサブライズが続いている。11月7日のECB政策理事会での電撃利下げに続き、8日に発表された10月の米雇用統計で非農業雇用者数が予想の10~12万人増を大きく上回り、前月比20.4万人増となったのである。これにより年内最後の12月のFOMCでのテーパリング開始決定の可能性が再浮上した。

 8日に発表された10月の米雇用統計で失業率は7.3%と前月の7.2%から0.1%悪化したものの、非農業雇用者数は予想の10~12万人増を大きく上回り、前月比20.4万人増となった。9月の雇用者数も14.8万人増から16.3万人増に、8月も19.3万人増から23.8万人増に上方修正された。10月の増加には民間部門の増加が影響し、特にヘルスケアなどのサービス部門が17.7万人増と大きく寄与していた。

 政府機関の一部閉鎖が民間雇用にも影響を与えたとの見方も強かったが、米労働省は「政府機関閉鎖の影響は見られなかった」と述べたと伝えられた。たしかに20万人増という数字を見る限り、さほど影響はなかったように見える。

 ただし、米大統領経済諮問機関(CEA)のファーマン委員長は10先の雇用統計の発表を受けて「政府機関の閉鎖前は」と前置きした上で、「米経済は勢いは増していた」と指摘。同委員長は10月の雇用統計が実態を正確に反映していない可能性に言及し、政府機関閉鎖が景気回復の障害になったとの認識を示した(11月12日付け日経新聞朝刊)

 たしかに雇用統計についてはやや振れの大きな指標であり、12月6日に発表される11月の雇用統計の数字を確認する必要もある。7日に発表された米国の7~9月期GDPは、年率2.8%増と市場予想を上回ったが、予想からの上振れ分は在庫投資の伸びが影響したものであり、内需の柱である個人消費は減速していた。FRBは今後発表される米経済指標を確認しながらテーパリングの開始時期を見極めようとするのではなかろうか。ちなみに経済指標のひとつともいえる株価をみると、ここにきてダウ平均は過去最高値を更新している。

 さらに注意すべきは財政協議の行方である。米与野党の有力議員が2014年の歳出上限について早期に合意しようという動きもある。合意が可能となれば暫定予算の問題が解決され、12月でのテーパリング開始決定に向けての大きな支障がなくなる。この合意がなければテーパリング開始の決定はかなり困難となろう。

 FRBの動向については、FOMCメンバーの今後の発言等にも注意を払う必要がある。まず注目されそうなのが14日に予定されているイエレン氏のFRB議長人事承認をめぐる公聴会であろう。もちろんこの場でテーパリング開始時期についての具体的な言及はないと思われるが、政府機関閉鎖による影響を含めての景気などの認識は示されよう。いまのところまだ市場でのコンセンサス来年3月以降となっているようだが、イエレン氏の発言内容次第では12月もしくは1月にテーパリングを決定との市場での認識が強まることも予想される。

 果たしてバーナンキ議長は就任期間中に出口への道筋をつけることができるのか。意外にその可能性は高いのではないかと個人的には見ている。



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by nihonkokusai | 2013-11-12 08:13 | 中央銀行 | Comments(0)
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