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12月にテーパリング開始の可能性もありうるか

 10月29日、30日のFOMCでは金融政策は現状維持とし、850億ドルの債券購入ペースを維持する方針を決定した。FOMC後に公表された声明文では、住宅部門の改善は最近数か月でやや減速との表現が加わり、金融状況の逼迫が経済の改善を遅らせる可能性があるとの文言が削除されたが、全体のトーンとしては、大きな変更はなく前回9月の内容をほぼ踏襲した。

 16日間に及ぶ政府機関一部閉鎖の影響で経済指標の発表が遅れただけでなく、景気そのものへの影響も懸念されており、声明文の内容もテーパリング開始に向けた姿勢に変化があり、先送りされるイメージが強まるとの見方もあった。声明文ではそれに対する懸念等は表記されておらず、これにより市場でのテーパリング開始時期の見方に再び変化が現れてきた。

 10月31日の日銀金融政策決定会合後の記者会見で日銀の黒田総裁は、米国で財政を巡る与野党の対立が深刻化し、連邦政府機関の一部が閉鎖されたことなどの影響に関して「小幅かつ一時的なものにとどまった可能性が高い」との認識を示した。そのうえで、米国経済の先行きに関しては「回復テンポが徐々に早まっていく」と語った(日経QUICKニュース)。

 10月30日のFOMC後の声明文で、政府機関一部閉鎖の影響について触れなかったのは、16日間に及ぶ政府機関一部閉鎖による具体的な影響の度合いをまだ完全には把握できておらず、今後発表される経済指標等を含めてそれを確認しなければならないため、憶測的な表現は避け、あえて前回からの表現を繰り返したとも思われる。しかし、黒田日銀総裁のコメントからは、FRBがその影響を小幅かつ一時的なものにとどまったと認識している可能性がある。黒田総裁が勝手な憶測を述べたというより、何かしらFRBからの説明等があり、それに裏付けられた発言とも言えまいか。

さらに米与野党の有力議員が31日に財政政策を話し合う超党派委員会に対し、2014年の歳出上限について11月22日までに合意するよう求めたと伝えられた(ロイター)。この合意が可能となれば、引き続き残る暫定予算の問題が解決され、12月でのテーパリング開始に向けての大きな支障がなくなる可能性も出てきた。共和党に対する批判も強まるなどしており、案外と対立色が薄まる可能性もある。

 そうであるならば、年内というか12月のFOMCでテーパリングが開始される可能性はまだ残る。あとは景気や雇用の数字次第となる。果たしてバーナンキ議長は就任期間中に出口への道筋をつけることができるのか。1月のFOMCもまだ任期中であり、意外にその可能性は高いのかもしれない。



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by nihonkokusai | 2013-11-04 10:44 | 中央銀行 | Comments(0)
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