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来年度の国債の日銀乗換は今年度並みに

 日銀は、来年度償還が来る保有長期国債の乗り換えに伴う引き受けを今年度並みの規模に抑える方針と9日にブルームバーグが伝えた。

 日銀が保有する国債のうち償還期限が到来したものについては、財政法第5条のただし書にある「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りではない」という規定に基づいて、特別会計の予算総則に記載され、国会の議決を経た金額の範囲内に限って、国による借換えに応じることができる。これは国債の日銀乗り換えとも呼ばれている。日銀が保有している国債が満期償還を迎えると、1年間に限って現金償還を延長し、現金の代わりに短期国債を発行し、それを日銀が引き受けるというものである。これは60年償還ルールに基づいた借換債の発行増による市中への影響を軽減させる目的もあったものとみられる。

 今年4月の量的・質的金融緩和策により、長期国債の保有残高が年間約50兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行っている。長期国債の買入対象は40年債を含む全ゾーンとなり、買入の平均残存年数を現状の3年弱から国債発行残高の平均並みの7年程度に延長した。この結果、毎月の長期国債のグロスの買入額は7.5兆円規模(これまでは3.8兆円程度)になる。毎月の発行額の70%を買い入れることになる。

 つまり日銀の異次元緩和により、4月以前の買入規模が倍になる。当然ながらその分、日銀が保有する国債の償還される金額も増加する。今年度は11.7兆円の国債を引き受ける計画を示していたが、償還額が増えれば来年度の短期国債の引受は増加するはずであるが(約2倍との試算もある)、その金額を今年度並みに抑えるそうである。

 9月19日の木内審議委員の講演後の会見では、この国債の乗換引受けの扱いについて「基金と輪番の手法を統合したことに伴って、結構な量の国債が対象となると思いますが、これまで通りの扱いで運営していくのか」との質問に対し、「従来どおり国債の引受けではないという認識が決して変わらないように、そういった考えをもって対応を検討していくというのが妥当である」との考えを示していた。

 すでに巨額の国債を買い入れ、その結果によるものとはいえ短期国債の引受も巨額となれば、財政ファイナンスを意識させかねない。さらに将来的に出口を考える際に、日銀の国債買入とともに引受額も減額されると民間消化の負担が大きくなりかねないことも考慮されたとみられる。

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by nihonkokusai | 2013-10-15 09:47 | 国債 | Comments(1)
Commented by 趣旨が重要では? at 2013-10-15 10:43 x
無秩序な財政ファイナンスの根拠にされることもありますが(「日銀乗換をしてるにもかかわらず金利は上がらないじゃないか」のような)、日銀乗換は規模や期間を制限するルールの元で行われているわけで、その文脈から察するに「突発的で少額な支出を短期間だけ建て替えてもらう」ような趣旨ではないのでしょうか?だからマーケットで問題にならないのでは?現状で既に逸脱しかけている気もしますが。
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