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10月調査分の米雇用統計の発表がなくなる懸念も、どうするFRB

 米国では議会が2014年の度暫定予算を成立できず、10月1日から政府機関が一部閉鎖された状態が続いている。雇用統計の担当部署である労働統計局は大部分の機能が停止状態に陥り、米労働省は4日に予定していた9月の米雇用統計の発表を延期した。

 米国の雇用統計で注目されるのは、非農業生産指数と失業率である。この数字は主に家計部門を調査対象にした家計調査により失業率を、企業を調査対象にした企業調査の数字により非農業部門雇用者数が集計される。

 非農業雇用者数とは14万5000企業や政府機関を対象に、変動の大きい農業部門を除いた労働者の増減を表す。NFPとも呼ばれているが、これは「nonfarm payrolls」を略したである。「nonfarm payrolls」とは、非農業部門の事業所の給与の支払い帳簿のことであり、これをもとにして集計される。

 失業率は約6万世帯を対象に、16歳以上の男女で、失業中ながら就業可能で、過去4週間以内に求職活動を行った失業者の占める割合となる。

 雇用統計の発表に必要な9月分の数字はすでに調査されて入手されているが、統計作成には同局のエコノミストによる分析などが必要となっているため、発表が延期されたそうである(CNNの記事を参照)。

 その調査対象期間となるのは、日曜日から数えて12日を含む週となり、10月の調査週は今週(10月6日~12日)となり、このまま政府閉鎖が続けば調査ができない可能性が指摘されている。つまり9月の数字はいずれ発表されるにしても、10月の数字はこのまま政府機関の閉鎖が続くと、最悪の場合は存在しなくなる可能性があるという(FT)。実はこちらのほうが大きな問題となりそうである。

 米国の中央銀行であるFRBの目標は物価安定と雇用最大化を促すことであり、これはデュアル・マンデートとも呼ばれる。このため、金融政策の変更には雇用の数字を確認する必要がある。

 FRBは9月のFOMCで量的緩和政策の縮小、いわゆるテーパリングの決定は行わなかった。これは米政府機関の閉鎖や債務上限問題の可能性が意識されてのものとの指摘もあった。10月29日、30日のFOMCでテーパリングが決定される可能性も低いとみられる。市場では12月17日、18日のFOMCで決定されるのではとの見方が出ているが、もし10月の雇用に関する数字が11月に発表されなければ、それも難しくなる可能性が出てきた。

 米政府機関の閉鎖はこのように米国の金融政策にも大きな影響を与えかねない。一刻も早い解決を望みたいところである。

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by nihonkokusai | 2013-10-08 09:29 | 中央銀行 | Comments(0)
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