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米政府機関の一時閉鎖が現実味

 ねじれ状態となっている米国議会では、10月1日からの新年度入りを前にいまだ来年度予算が成立しておらず、与野党の対立が解けないまま、政府機関の閉鎖が現実味を帯びてきた。オバマ大統領は声明を発表し、政府機関の閉鎖は完全に回避可能と発言したものの、このまま暫定予算が成立しなければ、およそ18年ぶりに政府機関の一部が閉鎖されるという事態が生じる可能性が出てきた。

 その18年前の1995年のクリントン政権時に政府機関が閉鎖される事態が発生した。今回と同様に与野党間の対立が激しくなり、その結果、米国での新年度開始の10月になっても予算案が可決できなかった。このため政府職員を一時帰休させ、政府機関を数週間閉鎖するなど、政府が11月と12月に二度機能停止に追い込まれる事態となったのである。

 一時、最大で80万人の政府職員が自宅待機などを命じられ、パスポートの発行が遅れたり、退役軍人の年金などの受け付けが停止された(NHK)。国立スミソニアン博物館や、内務省国立公園局管轄の公園368か所が閉鎖され、1995年12月から翌年1月まで21日間続いた前回の閉鎖では700万人の観光客に影響が出たとされる。また、ごみの収集停止が失態として問題視された。(AFP)。

 この際に悪役となってしまったのが、共和党のギングリッチ議長であるが、議長は徹底した歳出削減で均衡財政を目指そうとしたことで、クリントン政権も結局、それに歩み寄り歳出削減と一定の減税がはかられ、その後の財政再建に繋がることになる。

 「ルービン回顧録」によると「11月と12月の政府機能停止が非常な不評を買ったあと、デフォルトを招く政治戦略は非難の的となり、ほとんどの人がこの件から手を引いた」、とあったが、どうやら過去の反省は生かされていないようである。

 政府閉鎖の期間中は経済統計の発表が延期される可能性がある。9月6日には8月の雇用統計の発表が予定されている。政府機関の一時閉鎖による米国経済そのものへの影響も懸念されている。

 この予算案が通らなければ、今度は米国の債務上限問題が生じることとなる。ルー財務長官は8月26日に、連邦議会あての書簡で連邦債務の上限(16兆7000億ドル)引き上げを連邦議会で決められなければ、10月半ばにもデフォルトになる恐れがあると伝え、引き上げを求めてきた。しかし、下院で多数派の共和党は「歳出削減がなければ上限引き上げには応じられない」と、予算の組み替えが上限引き上げの条件としてきた。(9月20日の日経新聞)

 オバマ大統領のはシリア問題やFRB議長の後任指名問題でもたつき、指導力低下が目立ちレームダックに陥りつつある。オバマ政権の目玉政策のオバマケアを巡って、野党共和党は勢いづいており、それが米政府機関の一時閉鎖等を招くこととなり、事態が深刻化する懸念が出てきた。債務上限が引き上げられなければ、米国債のデフォルト、格下げ、さらに政府の窓口封鎖といった可能性も出てくる。

 格付会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは9月24日に、米国の債務上限引き上げ問題について、期限までに引き上げられない場合、政府機関閉鎖よりも金融市場に大きな影響が及ぶとの見方を示した。ただし、上限引き上げ問題や政府機関閉鎖が米国の格付けに影響を及ぼす公算は小さいとの見方を示した。(9月25日ロイター)

 仮に米政府機関の一時閉鎖や債務上限の引き上げに問題が生じても、さすがに米国経済に多大な影響が出るようなことが明らかになれば、議員に対する批判も強まりかねず、経済等の影響は限定的になると予想される。しかし、不透明感が強いことは確かであり、これらが18日のFOMCでのテーパリングを決定できなかった大きな要因であったことも確かであろう。

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by nihonkokusai | 2013-10-01 09:32 | 国際情勢 | Comments(0)
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