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官制相場の色彩を帯びていた4~6月の国債市場

 9月19日に日銀は2013年3~6月期の資金循環統計を発表した。これによると2013年6月末時点の家計の金融資産は1590兆1054億円(2013年3月末速報値1570兆5990億円)に増加した。

 この資金循環統計を基に、2013年6月末時点の国債保有者別の残高と全体に占める割合を算出してみた。ただし、これは国庫短期証券を含んだものではなく、国債・財融債のみの数値を個別に自分で集計し直したものである。一般的に国債の保有者の割合としては、こちらの数値が使われることが多い。

 6月末の国債(国債・財融債のみ)の残高は、799兆7521億円(同807兆1421億円)と前回の3月末から7兆3900億円減少した(速報ベース)。国庫短期証券を加えると約969兆円となる。参考までに日銀の資金循環統計の数値は額面ベースではなく「時価ベース」となっている点にご注意を。

銀行など民間預金取扱機関 292兆8944億円(3月末314兆9018億円)、36.6%(同39.0%)
民間の保険・年金 217兆8053億円(同222兆3979億円)、27.2%(同27.6%)
日本銀行 111兆9663億円(同93兆8750億円)、14.0%(同11.6%)
公的年金 68兆7737億円(同62兆9924億円)、8.6%(同7.8%)
海外 33兆4195億円(同35兆2469億円)、4.2%(同4.4%)
投信など金融仲介機関 33兆9432億円(同32兆1704億円)、4.2%(同4.0%)
家計 22兆8585億円(同24兆2126億円)、2.9%(同3.0%)
財政融資資金 4212億円(同9034億円)、0.1%(同0.1%)
その他 17兆6700億円(同20兆4417億円)、2.2%(同2.5%)

 2013年3月末に比べて、残高が大きく増加していたのが4月4日の金融政策決定会合で量的・質的金融緩和、いわゆる異次元緩和を導入し大規模な国債買入を行うことになった日本銀行である。3月末比で約18兆円もの増加となっている。

 これに対して残高を大きく落としていたのが、銀行など民間預金取扱機関で約22兆円も減少している。4月5日に10年債利回りが0.315%から0.620%に大きく上昇(価格は大きく下落)した際の主要な売り手がメガバンクとされていた。さらに5月23日に1%を付ける過程においても、銀行主体に売りが出ていたとみられる。

 銀行とともに民間の保険・年金も4.6兆円程度残高を落としていた。これを見る限り、これまで主要な日本国債の買い手となっていた銀行や生保、年金などの機関投資家は異次元緩和等を経て国債の残高を落としていたことになる。昨年11月からのアベノミクスの影響や次元の違う金融緩和などへの期待から円安修正が進み株は上昇し、この間に銀行や生保を主体に国債の残高を積み上げていたが、それをいったん売却した格好となった。国債市場の流動性が低下していたことも要因となっていた可能性もある。

 その分を日銀とともにカバーしていたのが公的年金であり、3月末比約5.8兆円程度増加させていた。これは数字を見る限り相場を買い支えた格好となり、官制相場の色彩を帯びていた気配も。もちろん債券相場を取り巻く環境がさほど悪化していたわけではないため、無理矢理下落を抑えたわけではないと思われる。結果として、タイミング良く押し目買いを入れていた可能性も。

 海外投資家は1.8兆円程度の減少となっており、それほど大きな減少とはならなかった。国庫短期証券を含んだ数字で見ると、海外は全体の8.4%のシェアとなり6月末と変わらなかった。個人も1.4兆円程度の減少となり、全体のうちのシェアも3%を割り込んだ。

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by nihonkokusai | 2013-09-20 09:50 | 債券市場 | Comments(0)
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