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FRBの出口が意識され、米独英の長期金利が急上昇

 6月19日のFOMC後の会見で、バーナンキFRB議長は、雇用などの経済情勢が見通しどおりに改善すれば、今年後半に緩和策を縮小するのが適当と見ていると述べ、一定のペースで規模を縮小し、失業率が7%程度に下がっていくことを目安に、来年半ばにかけて緩和策を終了するという見通しを示した。今後の量的緩和縮小について、条件付きながら具体的な道筋を示した。

 これを受けていわゆる緩和マネーの流入が減少するとの懸念が出てきたことから、20日の米国株式市場は前日比206ドル安となり、21日には前日比353ドル安と今年最大の下げ幅を記録した。22日は41ドル高とやや買いが入ったものの、米債は22日も下落した。またドイツや英国の国債も大きく下落しており、つまり米独英の長期金利がここにきて急上昇しているのである。

 19日に米10年債利回りは2.3%台に、20日には2.4%台に、21日には2.5%台に上昇した。米10年債利回りの推移を確認すると、2013年3月や2012年10月につけた水準を上回り、次の節目は2011年7月の水準である3%近辺となる(ブルームバーグのサイト上のグラフを参照)。
「米国債10年チャート」(ブルームバーグ、期間設定を「3年」に)

 ドイツの10年債利回りも21日には1.74%近辺まで上昇した。ドイツの10年債利回りは2013年1月や2012年9月につけた水準を抜けており、次の節目は2012年3月の水準である2%近辺となる。
「独国債10年チャート」(ブルームバーグ、期間設定を「3年」に)

 英国の10年債利回りも21日に2.42%近辺に上昇した。英国の10年債利回りは2012年3月につけた2.4%の水準に。ここを抜けると、米国債と同様に2011年7月以来の3%台も見えてくる可能性がある。
「英国債10年チャート」(ブルームバーグ、期間設定を「3年」に)

 FRBの量的緩和の縮小への動きは、リーマン・ショックや欧州の信用不安という長きに渡って世界的な危機の拡大にやっと終止符が打たれつつあることを示している。欧州の信用不安が完全に後退したわけではないが、たとえばギリシャの10年債利回りの推移を見ても、2012年3月には30%を越えていたものが、2012年6月あたりから低下し続け2013年5月には10%を一時割り込んできている(ただし、21日には政局の不安定化もあり11%台に上昇していたが)。ギリシャの10年債利回りの2010年あたりからの推移を見る限り、大きな嵐は過ぎ去ったと言える。
「ギリシャ国債10年チャート」(ブルームバーグ、期間設定を「3年」に)

 FRBの今回の動きは、異常時の対応から正常時の対応に移ることを意味すると思われる。もちろんここにきて燻ってきている中国への不安など、不安材料はまだまだ存在する。テールリスクは消え去ることはないが、いったん激動の波は収まったことは確かではなかろうか。

 日米欧を中心とした超低金利の時代が終焉することが予想され、米国や英国の長期金利は再び3%台の時代を迎える可能性が出てきた。そうなれば米債の影響も受けやすい日本の長期金利も1%割れのままというわけにはいかなくなるであろう。それでなくても日銀の異次元緩和の影響で、不安定な相場が続いているだけに、米独英の長期金利の上昇を受けて、日本の長期金利は1%台に乗せてくることも予想される。今後の米独英と日本の長期金利の動きにも十分注意したい。
「日本国債10年チャート」(ブルームバーグ、期間設定を「3年」に)

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by nihonkokusai | 2013-06-22 11:28 | 債券市場 | Comments(0)
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