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イングランド銀行の量的緩和とアベノミクスの類似点

 2009年3月5日、イングランド銀行(英国の中央銀行)は最高意思決定機関である金融政策委員会(MPC)において、政策金利を0.5%に引き下げるとともに、量的緩和策(Quantitative Easing)として英国債を買い入れる方針を発表した。その内容は2009年の3月から11月の間に総枠2000億ポンドの資産(対象は主に英国債)を購入するというもので、750億ポンド相当の社債や国債の直接買い取りを行うこととなった。国債の大量購入により準備預金増を目指すことが目的とされた。さらにこの国債買い入れに対し政府は損失補償の契約を結んだのである。

 量的緩和政策の採用を公表した後、3月11日に国債を初購入し、その後国債の購入額を急拡大させた。3月25日には社債を初めて購入したが、買取りの基本は国債となっている。その後、3か月ごとに見直しがかけられ、同年5月7日に1250億ポンド、8月6日に1750億ポンド、11月5日に総枠の2000億ポンドとなった。8月6日にイングランド銀行が資産買い入れプログラムの枠を1250億ポンドから1750億ポンドに拡大する際に英国債の種類を拡大し、償還期間が3年の国債や25年超の国債も購入することを決定している。

 このイングランド銀行の量的緩和の第一の特徴は、この資産購入規模の大きさとなった。1年弱の期間に2000億ポンドの資産を購入したのである。ただしこの時期は、資金吸収も同時に行っていたことからイングランド銀行のネットの総資産の増加額は810億ポンド程度となっていたそうである。

 参考までに2009年度のイギリスの国債発行額は約2300億ポンドであった。つまり2009年度でみるとイングランド銀行はイギリス国債の発行額の8割以上を購入した格好となった。債券市場の流動性低下も意識され、当初の2か月程度はやや値動きの荒い展開となっていた。

 英国の株価をみると2009年2月を底に急回復しており、イングランド銀行の量的緩和は米国株の上昇を促すひとつの要因となったことは確かかと思われる。このあたりの状況は、アベノミクスによる日本株の上昇にも類似している。

 2011年10月には量的緩和第二弾ともいうべき、2012年11月までに量的緩和第一弾と合計で総枠3750億ポンドの資産を購入する資産購入プログラムが決定された。10月に上限枠を750億ポンド引き上げ2750億ポンドとし。2012年2月に2750億ポンドから3250億ポンド、7月に3750億ポンドに引き上げた。

アベクロ政策と国債問題

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by nihonkokusai | 2013-05-15 09:42 | 日銀 | Comments(0)
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