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魅力的な金融商品となりうる個人向け国債

 2月26日にある新聞社の方の取材を受けたが、そこで取り上げられたのは個人向け国債のことであった。個人向け国債の販売額は2012年1月の発行額が7454億円と少し回復したものの、その後は低迷しており、今年1月の発行額は3539億円となっていた。個人向け国債の販売低迷の理由は、その利率の低さにある。過去の個人向け国債の販売額と利率の推移を見れば明らかであり、個人はその商品性そのものよりも利率に目を向けていることがわかる。

 国債への懸念が影響しているのではないか、との指摘もある。巨額な政府債務への漠然とした不安感はあろうが、たとえば銀行預金と比べて国債の安全性が低いと考えている方がそんなに多いとは考えにくい。もちろん国債は有価証券であり、元本が必ず返ってくる預貯金よりもリスクが高そうとの認識も残っているかもしれない。ところが個人向け国債の商品性をあらためてみると、国内の金融商品の中にあって、ある意味最強の商品であると言える。この場合はあくまでリターン(利益)を求めてというよりも、その安全性とともに、いろいろな状況変化にも対応できる商品としての意味においてである。その商品性が今後、遺憾なく発揮される可能性が出てきた。

 日銀は2%の物価目標を導入し、新総裁候補とされている黒田東彦氏はその目標達成には2年以内が適切との見方を示した。本当に2%の物価上昇が可能かどうかは不透明ながら、これを含めたアベノミクスへの期待も大きい。今後物価が上昇してくるとなれば、長期金利もいずれ上昇してくることが予想される。もしも個人向けの物価連動国債が発行されれば、その物価上昇分はリターンとしてそのまま反映されるが、現在それは発行されていない。しかし、10年変動タイプの個人向け国債でも物価が上昇し、それに応じて長期金利が上昇すれば、その分利率が上昇する仕組みとなっている。

 10年変動タイプの個人向け国債を購入せずとも、預貯金でも利子が上がったタイミングで定期預金などを乗り換えるという手段もある。ただしそれは乗換のタイミングも難しく、手続きも面倒である。その点、10年変動タイプの個人向け国債であれば、長期金利の動向が半年毎に支払われる利子に反映される仕組みとなっている。

 長期金利が上昇すれば、本来であれば国債の価格は下落する。ところが個人向け国債は発行日から1年経過すれば、財務省が元本で買い取ってくれる。つまり有価証券でありながら価格変動リスクがゼロ、さらに当初1年間は特別な場合を除いて換金できないが、それ以降はいつでも財務省が買い取ってくれる。流動性リスクも当初1年を除けばゼロということになる。信用リスクについても国債は国内金融商品にあっては最も安全性が高い商品とされている。

 価格変動リスクや流動性リスクが抑えられているということは、百年に一度というような世界的な金融ショックが今後また新たに生じたとしても、個人向け国債であれば安心といえる。

 もちろん余裕資金であれば、アベノミクスに乗って株式や投資信託等での運用を考えても良いであろう。それに対し将来の備えとして、少なくとも元本を維持したい、リスクはなるべく抑えたい、できれば金利が上昇しても、その上昇分もある程度利子に反映されてほしいというのであれば、10年変動金利タイプの個人向け国債はかなり魅力的な金融商品となる。

 次回の個人向け国債の10年変動金利タイプと5年固定金利タイプの募集は3月7日から29日まで。3年固定金利タイプは毎月募集している。

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by nihonkokusai | 2013-02-28 12:00 | 国債 | Comments(0)
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