日銀の独立性がなくなる日
日銀は1月の会合で追加緩和は決定下が、それは来年に向けた基金による買入を決めただけであり、現在の緩和政策の期間がやや延びる程度のものでしかありません。2%の物価目標についても、フレキシブルなものと日銀は考えているように思われます。ところが、日銀の姿勢が変わったと見なされるだけでも円安要因になるのでしょうか。そもそも今回の円安はアベノミクスが主因なのかという問題もあります。今後、円安の勢いが止まればさらなる緩和圧力が日銀にかかる可能性も出てきます。
これまでの金融の歴史を辿れば、中央銀行に独立性を与えることで政府への信認が強まるとの認識が出来つつあり、それが欧米での共通認識になっています。だからこそハンガリーで中銀の独立性が危惧されただけで、まるで内政干渉のような動きがあったのです。
アベノミクスはたしかに成功しているかに見えますが、それとともに日銀の独立性が今後は危ぶまれる懸念が強まってきます。それによって何が起きるのでしょうか。日銀の独立性がなくなる日は本当に来るのかでしょうか。日銀ができること、やって良いこと、ではなく、日銀にはできないこと、さらにやってはいけないことをしっかり認識することがいまこそ私たちにとっても重要ではないでしょうか。
日銀の独立性がなぜ重要なのかを解き明かすため、書き下ろしたのが「日銀の独立性がなくなる日 [Kindle版]」です。ぜひご一読いただけるとうれしいです。キンドルの端末でダウンロードいただくか、スマートフォンやタブロイドでもキンドルのアプリでダウンロードできます。定価は250円です(こちらでの無料キャンペーンはいまのところ予定しておりません)。
「日銀の独立性がなくなる日 [Kindle版]」
第一章 日銀が2%の物価目標を導入した理由
1-1 デフレの原因と日銀の金融政策
1-2 金融政策でデフレは解消できるのか
1-3 伝統的手段と非伝統的手段
1-4 インフレターゲットとは何か
1-5 2%の物価目標の導入と共同声明
1-6 アコードの意味
1-7 フレキシブルなインフレ・ターゲット
第二章 中央銀行の独立性強化は歴史の流れ
2-1 日本銀行の設立
2-2 日銀法の制定と1949年の一部改訂
2-3 1998年に改正日銀法が施行された理由
2-4 インフレファイター・ブンデスバンク
2-5 イングランド銀行の政府からの独立
2-6 FRBの独立性は実績の積み重ねにより定着
2-7 ECBは世界一独立性の強い中央銀行
第三章 日銀法改正はなぜ危険なのか
3-1 日銀法改正を主張する政治家達
3-2 日銀法には書かれていない独立性との言葉
3-3 中央銀行に独立性が必要な理由
3-4 禁じられた中央銀行よる国債引受
3-5 高橋是清を襲った悲劇
3-6 打ち出の小槌はない
3-7 中央銀行の独立性を奪ったハンガリーで起きたこと
第四章 日銀の独立性が失われることによるリスク
4-1 日銀への恫喝が続くことへの怖さ
4-2 政府・日銀が出した共同文書の舞台裏
4-3 日銀総裁人事
4-4 英国に学ぶべき中央銀行総裁人事の在り方
4-5 円安株高の主因はアベノミクスではない
4-6 長期金利の動向に注意
4-7 リフレ派のリスク
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