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物価目標設定と追加緩和に見るデフレ脱却の難しさ

 1月22日の金融政策決定会合で、日銀は政府からの要請のあった「物価安定の目標」を導入することを決定し、同時にあらたな追加緩和策として、「期限を定めない資産買入方式」を導入することを決めた。

 物価安定の目標については昨年2月に決めた物価安定の目途を修正し、目途(Goal)を目標(Target)とした上で、その目標を消費者物価指数の前年比上昇率で2%とした。この変更は「柔軟な金融政策運営の重要性に対する理解が浸透している状況を踏まえたもの」としている。つまり今回、日銀はインフレーション・ターゲティングを導入したことになるが、あくまでこれは白井審議委員が先日の講演で解説していたフレキシブルなインフレーション・ターゲティングということになる。この目標に対し「できるだけ早期に実現すること目指す」としたが、政府の意向を踏まえたものであろう。

 2%の物価目標に対して、佐藤委員と木内委員が反対し、7対2の多数決が決定された。会合前に麻生財務相が、物価目標に関して「政策委員の中でも意見の割れるところ」と発言し、反対者がいるであろうことを示唆していたが、それがハト派と呼ばれる佐藤委員と木内委員であったことは意外感もあった。しかも、その反対理由は、成長力強化の取り組み進む前に2%目標掲げると信認毀損すると反対したそうである。

 日銀は物価目標とともに、あらたな追加緩和策として「期限を定めない資産買入方式」を導入することも決定した(全員一致)。これは2014年初から期限を定めず毎月一定額の金融資産を買入れる方式を導入し、当分の間、毎月、長期国債2兆円程度を含む13兆円程度の金融資産の買入を行う。これにより基金の残高は2014年中に10兆円程度の増加となり(国債には償還があり、基金による買入対象国債は中期債のため)、それ以降、残高が維持される格好になる。

 今回の追加緩和は、これまでの方式で言えば買入資産の残高を10兆円増額することになるが、目標が基金の残高ではなく、それを維持するための毎月の買入額に焦点をあてたのは、残高維持のために毎月多額の国債を買い入れることをアピールする狙いがあろう。それとともに「無期限」という表現も使いたかったのではなかろうか。

 今回は石田委員からの超過準備の付利撤廃の議案提示はなく、追加緩和は「期限を定めない資産買入方式」だけであった。

 果たしてこれでどのように物価目標に到達できるのか、その具体的なプロセスが示されているわけではない。あくまで「金融緩和を思い切って前進させる」というどちらかといえば気合いみたいなプロセスを期待しているかに思える。佐藤委員と木内委員が反対したことも頷ける。

 物価目標もフレキシブルなものとなり、追加緩和も表現は異なるが、やることはこれまで通り。これは物足りないと言いたいのではない。このあたりに金融緩和によるデフレ脱却の難しさが表れていると思うのである。

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by nihonkokusai | 2013-01-23 08:10 | 日銀 | Comments(0)
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