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円安株高の流れは変わらず

 ここにきて円安株高の動きにブレーキがいったん掛かった。年初にドル円は88円台、ユーロ円は116円に迫った。この円安や米国株の上昇なども手伝い日経平均は4日に一時10700円台を付けてきた。しかしその後、円は反発しそれに呼応するかのように日経平均は一時反落した。

 今回の株高の大きな要因は確かに円安である。リーマン・ショックやギリシャ・ショックを経て、円高が東京株式市場の大きな足かせとなっていたことで、その足かせが取れたことにより、東京株式市場も息を吹き返してきた。停滞時間も長かったことで、反発力も強いものがあった。しかし、株高の原動力となっていた円安の動きが一服すれば、当然株高にもブレーキが掛かる。株式市場を取り巻く大きなテーマが変わらなければ、東京株式市場の動向を予測するためには、円の動きがどうなるのかを予測する必要があろう。

 一時円安の動きにブレーキが掛かったのは、あまりに円安ピッチが速すぎたためであろう。今回の円安についてはこれほどの勢いになるとの予測も少なく、だからこそ節目と見られたドル円の85円もあっさりと抜いてきた。これが相場である。しかし、そこからはまさに慣性の法則のように88円近辺まで上昇したところで、いったん自然に勢いが止まったように思われる。ここで止まった理由として、これ以上の円安となれば経済にとってマイナスの影響が出る懸念が示されたこともあるのかもしれない。それよりも、円安の大きな要因であったとされるアベノミクスに対して、特に日銀への対応が生ぬるいものになったためとの見方もあろう。

 前者については見方は分かれよう。この程度の円安ではまだまだとの見方も当然あろうし、そろそろ良いのではとの見方もある。これは立場で見方も異なる。それよりも後者についてだが、政権奪取後はある程度、現実路線に変更せざるを得ないのは、マーケットに不安材料を後退させる意味でも必要であったと思われる。ここにきて、政府の日銀への対応の責任者ともいえる麻生財務相から、日銀の独立性を配慮するようなコメントが出てきたことも、一時的にせよ円安にブレーキが掛かった要因と見なされるかもしれない。

 しかし、アベノミクスは円安を加速させる要因ではあったが、主因ではなかった点にも注意すべきである。今回の円安の背景には、世界的なリスク要因の後退があった。そこに日本の貿易収支の赤字幅拡大、経常収支の黒字幅縮小等の国内要因も影響しての円安基調であったと考えられる。(これらについては拙著「超低金利時代の終わり [Kindle版]」も参考にしていただければ)。つまり、新たなリスクでも発生しない限り、世界的なリスクによる呪縛は後退すると予想され、円安の動きはまだ当分続くことが予想される。

 円安が続けば当面は株式市場にとってもプラス要因と認識されよう。米FRBではすでに出口を意識した議論も出てきている。欧州についても潜在的なリスクは残るが、最悪期は脱したとみて良いのではなかろうか。2013年は久しぶりに、世界的なリスクから解放される年となる可能性がある。

 そのようなタイミングで、日本では積極的な財政政策が取られようとしている。これは財政赤字をさらに膨らませるだけとの見方もできそうだが、回復しかけているタイミングでの、このような押し上げは効果的となる可能性もあるかもしれない。さらに日銀の超緩和策も景気回復期には、大きな影響をもたらすことも予想される。

 このように大きな流れとしては、円安株高の流れは終わったわけではなく、まだ途中段階にありこれからも続くものと予想している。ただし、さすがにこれまであまりに勢いがあっただけに、一時的な調整は入っても致し方ないところであった。

 長期金利については、国債の増発も予想されることもあり、今後は上昇基調となると予想している。過去に長期金利の1%割れがむしろ珍しかったことを考えれば、今後1%台を回復したとしても、それはあくまで異常事態から抜け出たと見なされよう。この程度の長期金利の上昇が株高を抑えるようなことは考えづらい。また、長期金利の上昇は日本だけでなく、長期金利が2%を割り込んでいた国々でも同様に起きてくるものと予想している。もちろん、あらたなリスクが発生しないというのが大前提ではあるが。

 キンドルの電子書籍にて書き下ろしました「超低金利時代の終わり -そして、日銀による国債引受のリスク-」(定価300円)にも日銀の国債引受のリスクについて書いてます。是非、読んでみてください。

「超低金利時代の終わり -そして、日銀による国債引受のリスク-」



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by nihonkokusai | 2013-01-10 09:21 | 債券市場 | Comments(3)
Commented by 有料メルマガ購読者 at 2013-01-10 11:50 x
いつも勉強させていただいております。
有料メルマガ内の質の高いコラムが、そのままブログに掲載されてしまいますと、購読料を支払うインセンティブが低下してしまいます。(^_^;)
Commented by nihonkokusai at 2013-01-10 19:39
有料メルマガをご購読いただき、ありがとうございます。この件につきましては、コラムだけは、とりあえず1日置いてから、ブログに掲載するようにしておりますので、ご容赦いただけると助かります。コラムではなく、牛さん熊さんの朝と引け後の部については、公開はしておりませんので、ご理解いただければと思います。
Commented by 有料メルマガ購読者 at 2013-01-11 13:51 x
了解いたしました。
これからも宜しくお願い致します。
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