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今年のテーマは超低金利時代の終わりか

 新しい年の相場の始まりということで、今回は今年の債券市場において大きなテーマとなりそうなものを考えてみたい。個人的に最も関心があるのが、長期金利における超低金利時代が終焉するのかどうかである。その可能性については、キンドルから出版した「超低金利時代の終わり [Kindle版]」でもまとめてみたが、どうやらその可能性が強まってきたように思われる。

 「超低金利時代の終わり [Kindle版]」の副題は、「そして、日銀による国債引受のリスク-」としたが、当初は「そして、円安の時代に」であった。この本を書いたのが昨年11月に入ってからで、11月19日のキンドルの端末発売日に間に合わせてアップしようとした。ところが、11月17日に安倍自民党総裁による「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう。新しいマネーが強制的に市場に出ていく」との発言を受けて、急遽、日銀による国債引受のリスクに関する部分を膨らませて、副題も変更することにした。今思えば、当初の円安の時代に、の方が良かったのかもしれないが、あの時点ではここまで急速に円安が進行することは予想しておらず、副題を入れ替えたのである。

 それはさておき、この本のテーマでもある「超低金利時代の終わり」が現実化する可能性が出てきた。アベノミクスへの期待が円安を進行させ、株高を演出した側面はあるが、あくまでこれは、大きな流れが変わっていたタイミングで、その流れを強めさせる起爆剤になったに過ぎないとみている。今回の円安の最大の要因は、世界的なリスクの後退にある。

 それを裏付けるようなものが年初に出てきた。1月3日に発表された2012年12月11~12日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨である。この中で、一部の委員から出口を意識した発言が出ていたのである。

 「複数の委員は資産購入策を13年末までに停止するかペースを減速することが適切になる可能性があるとした」。

 この会合では毎月450億ドルの米国債を追加購入すると発表したが、この会合の中ではQEを終える可能性も議論されていたのである。「超低金利を維持する時期の目安に失業率を据えるなどの大盤振る舞いは、量的緩和の終わりの始まりだった可能性がある」(日経新聞電子版の記事より)。

 もちろんまだ「13年中のQE停止か減速」派は少数ながらも、そのような意識がFOMC内でも出てきたということは、今後は経済状況次第ではあるが、さらなる追加緩和というよりも、出口に向けた議論が強まってくる可能性がある。米国では最大の懸念材料でもあった財政の崖問題はぎりぎりながらも回避された。債務上限問題等も残るものの、欧州初のリスクの後退もあり、今後は米国だけでなく、リスクの発生元の欧州でも、同様に超緩和策からの出口が意識される可能性がある。それにより歴史的な低水準にまで低下していた一部の国の長期金利が上昇してくることが予想される。

 そして日本でも同様の動きになることが予想される。すでに円安株高などにより、債券相場は天井(長期金利では底)をつけた可能性があり、今後はさらなる日銀の追加緩和も予想されるが、長期金利についてはむしろ上昇基調となる可能性がある。むろん、短期の金利がゼロ近辺にある限り、長期金利の上昇にも限界はありそうだが、短期金利のゼロ金利下にあっても、長期金利は2%程度までは過去にも何度か上昇していたことも確かである。いきなり2%まで上昇するようなことは考えづらいが、1%割れがそもそも過去には一時的であったことを考えれば、1%台への回復あたりは近いうちにありうると見ている。

 ただし、これはあくまで異常ともいえる超低金利の状態が終焉するとの予想であって、長期金利が加速して上昇するようなことは想定しづらい。実際に債券先物の動きを見ても、じりじりと下値を切り下げている格好である。現物債には投資家の押し目買いも控えているとみられ、日本の長期金利の上昇は緩やかなものになると予想される。

 キンドルの電子書籍にて書き下ろしました「超低金利時代の終わり -そして、日銀による国債引受のリスク-」(定価300円)にも日銀の国債引受のリスクについて書いてます。是非、読んでみてください。

「超低金利時代の終わり -そして、日銀による国債引受のリスク-」


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by nihonkokusai | 2013-01-05 08:19 | 債券市場 | Comments(0)
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