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次期日銀総裁と副総裁人事の行方

 総裁を含む日銀の政策委員の人事等については、形式上は内閣官房副長官から国会に提示されることで、最終判断は首相官邸にある。

 イングランド銀行総裁の人事については、副総裁含めて、首相の助言に基づいて女王が任命する形式となっている。その人選にあたっては財務省の影響が大きく、これまでは現役の総裁や財務次官などと検討し、財務相が首相に候補者を推薦する格好となっている。

英国政府は11月26日に、英国の中央銀行であるイングランド銀行のキング総裁の後任にカナダの中央銀行であるカナダ銀行のマーク・カーニー総裁を任命すると発表したが、これに奔走したのが、 オズボーン財務相とされる。

 次期日銀総裁の人事についても、日銀への関与を強める安倍総裁とともに、次期副総理兼財務相とされる麻生氏あたりを中心に人選が進められるのではないかとも予想される。

 2013年3月には日銀の二人の副総裁、西村氏と山口氏が任期満了を迎える。また、4月には白川総裁が任期満了となる。それぞれ再任も可能であるが、少なくともこれまでの報道等を見る限り、安倍総裁が白川総裁を再任させることは考えづらい。また、山口氏と西村氏の総裁昇格についても、現在の日銀執行部には批判的に安倍氏であるため考えづらい。

 この場合に総裁だけというよりも、副総裁人事と絡めて3名の人事をまとめて行うことが予想される。日銀の政策委員などを決める国会同意人事は、政府が国会に候補を提示し、衆参それぞれの本会議で同意を得ることが必要となる。自公は参院で過半数に届かない状況であり、野党の協力を求める必要がある。

 前回2008年の際の日銀総裁人事では、やはりねじれ国会となる中、当時の野党であった民主党は、与党の自民党が提出してきた財務省出身の総裁候補を参院でことごとく否決し、戦後初めて総裁ポストが空席となるという異常事態が発生した。今回も同様のケースとなることも予想される。

 ただし、安倍総裁の日銀に対する考え方は、みんなの党や民主党の一部議員も同様の考え方をしている。いわゆるリフレ派と呼ばれる議員も多い。このあたりを取り込んで、より金融緩和に積極的とされる人物を官邸が提示してくる可能性がある。

 しかし、マーケットにも配慮すれば、多少なりバランスも意識されると思われる。このあたり自民党内でも、リフレ政策に慎重な向きもおり、少なくとも3名のうち1人は日銀出身者が入ることが予想され、たぶん副総裁となるのではないかと予想する(これはあくまで期待であり、今回はあまり淡い期待は抱かない方が良い化も知れないが)。

 残りの総裁と副総裁の人事については、総裁はたとえばリフレ派かそれに近いとされる学者などが候補に挙がると予想される。これには岩田一政元副総裁、竹中平蔵氏などが候補に上がるのではなかろうか。この人選については、内閣官房参与(経済担当)に起用される浜田宏一氏あたりも関係してくる可能性がある。

 副総裁については、財務省出身者あたりが望ましいと思うが、執行部3名中、2名はリフレ派で占めさせようとの動きも出る可能性もある。

 これらはあくまで勝手な予想であり、何かしら根拠のあるものではない。そもそもまだ安倍新政権も出来ていない状況でもある。しかし、それでもすでにこの日銀総裁人事までもが非常に気になる状況にあることも確かである。

 ただ、ここで一点だけ指摘しておきたい。いわゆるリフレ政策を主張する人物を中銀トップに据えても、その政策を行ってくるとは限らない。日銀は金融政策だけを行う機関ではなく、金融という非常に重要なインフラを抱えているところである。そこのトップに座れば、自らの政策の重要性、責任等が現場を通じて見えてくる。やれるものやれないもの、やって良いものいけないものが、当然見えてくる。立場変われば意識も変わる。それを示す良い事例がある。現在の米国の中央銀行であるFRBのトップにいる人物である。結果としてFRBはインフレターゲットを採用したのではないかとの見方もあろうが、その人物は今年の1月のゴールの設定に対しても、頑なにこれは昔の彼の持論であったインフレ・ターゲットではないと発言していたのである。その前にもう一人、立場変われば特に金融政策への意見も変わってほしい総裁もいるが。

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by nihonkokusai | 2012-12-24 09:58 | 日銀 | Comments(0)
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