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7月23日あたりが相場の起点に。最悪の状況は脱したのか

 今年の相場を振り返るには少し早いが、債券市場を含めここにきて変化の兆しが出ているように思われる。特に象徴的なのが外為市場での円の動きであることは先日もコラムで指摘した。この円安を受けて東京株式市場も底堅い動きを見せている。

 今年に入っての日本や欧米の債券や為替の動きを見てみると7月23日近辺がひとつの節目というか起点になっていることがわかる。このころにいったい何があったのか。今回の相場の流れを理解するには、そのあたりのことを確認する必要があるのかもしれない。

 私自身はたいへん記憶力が良くない。相場の世界にいたときも、いつ何があったのかをすぐに忘れてしまっていた。このため、それを確認するのは自分で当時書いたものを参考にせざるを得ない。ということで今年7月のコラム等を確認すると、7月31日に「違和感を感じたときには」 との題のコラムを書いていた。どうやらこのころ違和感を感じていたようである。

「今回の欧州の信用不安によるドイツやフランス、さらに英国やスイス、そして米国の長期金利の低下は、国債のバブル相場となっていることは確かではなかろうか。これについては買われる理由があるため買われているのであろうが、過去最低の利回りの更新が続く様子は、2003年6月までの日本国債の動きに近いものがある。」(2012年7月31日の「若き知」より)。

 さらに7月25日には「長期金利の世界記録更新なるか」というコラムを書いていた。

「7月23日、スイスの10年債利回りが0.443%近辺まで低下し、長期金利の世界記録に接近した。スペインが地方政府向けの支援を余儀なくされ、それにより銀行支援だけでなく、財政面からも全面的な支援を仰ぐのではないかとの警戒が出て、23日の欧州市場ではリスク回避の動きを強めた。 スペインの10年債利回りは一時7.6%近辺まで上昇し、イタリアの10年債利回りも6.32%近辺に上昇しアイルランドの10年債利回りを上回った。スペインを助けたらイタリアを助ける資金はないとの懸念も出ていたようである。これに対して安全資産として23日にドイツの国債は買われ、10年債利回りは一時1.126%と、過去最低を記録した(24日はムーディーズがドイツ等の格付け見通しをネガティブに変更したため反落しているが)。同様の理由で英国債も買われ、10年債利回りは一時1.407%とこちらも過去最低を記録している。米債も買われ、10年債は一時1.4%近辺に低下し、こちらも過去最低水準に。スイスの国債もやはり安全資産として買い進まれた結果、0.443%近辺とこちらもデータがある限り、過去最低の利回りを更新したのである。」(2012年7月23日の「若き知」より)。

 世界の歴史上の長期金利の最低記録は、記録が正確に残っている限り、日本において2003年6月11日のザラ場中(引けではなく取引時間中)に日本相互証券で記録した0.430%である。そこにスイスの長期金利が迫ったところで、米国債や英国債、さらに方向は反対ではあるがスペインやイタリアの金利も反転している。日本でも今年の長期金利の最低は7月23日から26日につけた0.720%である。債券先物の今年の高値(前後場)は23日から25日にやはり毎日つけていた144円64銭である。その後の下落ピッチは鈍いとはいえ、上値が重くなったのは確かである。

 外為市場でもユーロ円をみると、7月24日あたりの94円台からユーロは上昇基調となり、一時104円台まで回復している。ドル円については7月ではなく9月末あたりからではあるが、ドルが円に対して上昇圧力を強めている。

 これらから言えることは、7月23日にスイスの長期金利が歴史上最低水準に接近し、そのあたりで米国やドイツ、英国の長期金利がそれぞれの過去最低水準を更新していたのも、振り返ればやや行き過ぎの面もあり、修正がその後入ったとも言える。それに対して日本の長期金利も低下はしていたが、2003年のVARショックが市場参加者の頭をよぎり、警戒感が出ていたのが7月23日から26日と4日間も長期金利が0.720%でとまり、先物も23日から25日にかけて連日144円64銭で止まるというような状況を生んでいたとみられる。

 7月23日あたりを起点に相場の動きは変化してきている。過去の相場の歴史を振り返っても、長期金利のあらためての過去最低記録更新は、新たなショックでも起きないと難しいのではないかと予想される。危機は過ぎ去ったわけではないが、7月23日あたりからの市場の動きを見る限り、どうやら最悪の状況からは脱しつつあるようにも思われるのである。

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by nihonkokusai | 2012-11-06 09:18 | 債券市場 | Comments(0)
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