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来週の市場動向を見る上での注目点

 米国のダウ平均は、ブラックマンデーからちょうど25年目にあたる10月19日に205ドルもの下げとなり、22日には243ドルの下げとなった。これだけの調整が入ると日本株も大きく下落してもおかしくないところではあったが、この間の日経平均は9000円近辺で非常に底堅い動きを見せていた。この底堅さの背景には、外為市場での円安の動きがあった。

 10月11日あたりからじりじりと円安ドル高が進行し、22日に80円台に乗せてきた。ユーロ円も22日に104円台をつけた。ユーロドルの動きを見ると9月の半ばあたりからほぼ横ばいの動きになっていることからもわかるように、今回は円安の動きである。

 この円安の背景にあるのが、日銀による追加緩和期待であるのは明らかながら、その円安の目先の起点となっていたのが10月11日~12日あたりとなっいたこともチェックしておく必要がある。つまりこの時期に東京でIMF・世銀の年次総会が開催されていた。世界の金融関係者が東京に集まっており、日本がそれなりに注目されていた期間である。このタイミングで円安の動きになったのは、IMFのラガルド専務理事が「日銀はさらなる金融政策に踏み切る準備ができると確信している」と述べたことも影響しているかもしれないが、日銀の追加緩和観測だけによるものかどうかも検証しておく必要もあるのではなかろうか。

 円安の背景のひとつには、欧州の信用不安に対する注目度がやや後退したことも挙げられよう。東京でIMF・世銀の年次総会も比較的波乱無く終わったが、欧州の今後を巡って激論が交わされたような気配もない。楽観視するつもりはないが、ここにきてのイタリアやスペインの長期金利の動向を見ても、危機感がかなり後退してきたことが伺える。特にイタリアについては、18日の国債入札で、過去最大規模となる180億ユーロ相当発行していた。1回の発行額としては欧州で過去最大となる。国内の個人投資家含めての需要が強かったことを見ても、かなり不安感が払拭されつつある様子もうかがえる。

 10月30日に日銀は追加緩和を決定するであろうが、よくよく考えると10兆円もの基金を増額して何をしたいのかといえば、本来は長期金利の低下を促すのが目的となるはず。ところが、今回の日銀の追加緩和は結果として長期金利の上昇を促すのが目的であるかのように思われる。つまり、追加緩和により円安株高となれば(材料出尽くしで反対に動く可能性は残るが)、それは債券の売り要因と長期金利の上昇を促す可能性がある。今回はリスク資産の買入等も検討されるとみられるが、基金の増額よりもこちらの方が目的とされる効果は大きいように感じる。

 とにかく来週は10月30日の金融政策決定会合で何が決定され、それにより市場がどのように動きのかがひとつの焦点となる。もちろん30日に発表される展望レポートの中身についてもチェックしておく必要がある。

 そして臨時国会が29日に招集されるようであるが、債券市場にとりもうひとつの注目材料となっている特例公債発行法案の行方も気掛かり材料となる。26日の臨時の国債市場特別参加者会合の内容にも注目したいが、市場参加者も仮に12月の国債入札が休債となれば、先行きへの不安感を強めることも予想される。それ以上に国民生活そのものへの影響もあることで、さすがに自民党も特例公債発行法案については成立させる方向にもっていくのではないかと期待を込めて予想している。法案成立が具体化すれば、これによる先行き不透明感が払拭され、売られていた超長期債に押し目買いが入りそうである。ちなみに11月1日には10年国債入札が予定されているが、投資家需要はそれなりに見込めるとみられる。

 そして、日本株への影響は限定的であったとはいえ、米国株式市場の動向も注意が必要になる。円安効果で出遅れていた日本株が戻してきたとしても、欧米の株式市場が下落傾向となってしまえば、日本株の上値も抑えられる。ここにきての米株安の背景になっている米企業の業績不振は、それでなくても尖閣諸島を巡る日中関係の悪化により自動車関連企業を中心に日本企業の業績にも影響が出ているだけに、無視できないものとなる。そして米国市場動向を見る上で、2日に発表される米雇用統計も注意しておく必要がある。


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by nihonkokusai | 2012-10-27 08:35 | 債券市場 | Comments(0)
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