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リスクオンの流れは一時的だったのか

 東京でのIMF・世銀の年次総会が終わり、その後の市場の動きを見てみると、欧米市場でのリスクオンの動きが強まり、外為市場ではユーロがドルや円に対して上昇し、また円はドルなどに対しても下落基調となってた。また、欧米の債券市場では、スペインやイタリアの国債が買われた半面、ドイツや英国、さらに米国債が下落基調となっている。

 ここにきて何かしら新たな材料が出ているわけではない。しかし、ギリシャやスペインを巡る過度に悲観的な見方が再び後退したこと、米国の経済指標の一部に良いものが出た事に加え、発表された7-9月期の企業決算が思いの外悪くなかったことなども要因として上げられる。

 10月12日あたりからの動きを振り返ってみたい。

 12日にドラギECB総裁は会見で、債務危機克服に慎重ながら楽観論の兆候があると指摘し、これも影響したのか、12日のユーロ圏の債券市場では、域内17か国の国債利回りが揃って低下した。スペインは11月に支援要請の見通しか、との報道もあった。12日に発表された米国の消費者態度指数は予想外の上昇となり、2007年9月以来の水準に改善した。

 15日にドイツのショイブレ財務相が、ギリシャのデフォルトが起きることはないと言明し、市場ではギリシャがユーロ圏を離脱するとの観測が後退した。15日のギリシャの10年債利回りは、3月の債務再編後の最低水準となった。そして15日発表された9月の小売売上高が前月比1.1%増と市場予想を上回った。米株式市場では、シティの7~9月期決算も好感された。

 16日にドイツの連立与党幹部が、スペインが予防的な信用枠をESMに求めることにドイツは反対ではないと発言、16日発表されたドイツの10月の景気期待指数が改善した。16日の米国株式市場では、ここにきて発表された米主要企業の四半期決算が市場予想を上回り、米企業業績の悪化懸念が薄らいだことや、10月の米住宅市場指数の上昇も受け、ダウ平均は大幅続伸となった。

 17日にムーディーズはスペインの格付けを据え置くと発表。これが好感されてスペインの国債は買われ、10年債利回りは今年4月以来の水準に低下した。イタリアの国債も買われ、10年債利回りは今年3月以来の水準に。反対にドイツ国債は売られ、10年債利回りは前日の1.55%近辺から1.64%近辺に上昇した。英国債の利回りも同様に上昇に、10年債利回りは前日の1.82%から昨日は1.92%に上昇。そして米10年債利回りも、前日の1.72%近辺から1.81%近辺に大きく上昇したが、米住宅着工件数が4年ぶり水準に戻したことも、米債の売り要因となった。

 マーケットが好材料に反応しやすくなったことが、地合の改善をうかがわせる。いわゆる潮目の変化を指摘する向きもいる。これにはリスクオフに賭けて相場を張っていた向きが、反対売買を行ってきた面もあろう。過去には何度もこのような動きはあったが、一時的なものであった。ただし、外為市場でのユーロの動きを見てみると、ドルや円に対しては7月24日あたりを底に上昇基調を維持している。その動きがさらに強まったようにも見える。

 9月にECB、FRB、そして日銀はそれぞれ追加の緩和策を決定した。これが今回のリスクオンの動きの背景のひとつであると考えられる。もちろんこれらはあくまで時間を稼ぐものでしかない。しかし、それ以上にこの追加緩和も手伝い悲観的なマインドが後退してきたことも大きいのではなかろうか。

 米国では大統領選挙を控え「財政の崖」問題もある。欧州では引き続き信用問題も残り、この問題はそう簡単には解決するものではないのも確かである。日本では総選挙を控えての駆け引きも続いている。中国も思ったほどではないにしろ景気は落ち込んでいる。今後に向けての不透明感は確かに強い。しかし、そういった中にあっての今回のリスクオンの動きをどう解釈すべきか。

 たしかに19日の米国株式市場では、マイクロソフトやマクドナルドなど主力企業の四半期決算が市場予想を下回ったことなどをきっかけに、ダウ平均は前日比205ドルもの下げとなるなど、リスクオンは一時的なのかと思わせる動きとなっている。しかし、19日は、あのブラックマンデーからちょうど25年目にあたることもあり、株式市場はやや神経質になっていた可能性もあり、外為市場でのリスクオフの動きは限られた。このあたりもう少し様子を見る必要もある。

 10月18日に日本の債券先物の前後場の出来高が5兆円を超えた。5兆円を超えたのは今年3月16日以来となる。19日には3兆円に減少したが、建玉の減少幅が限られていたこともあり、18日にはあらたに何かしらのポジションが作られていた可能性もある。今後の動きを占う上で、このあたりを含めて相場の各所に気を配って見る必要もあるのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2012-10-22 09:51 | 債券市場 | Comments(0)
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