牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

8月の米国債の国別保有残高

 米財務省が発表している米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES、http://www.ustreas.gov/tic/mfh.txt)によると、今年8月の日本の米国債(短期債含む)保有残高は1兆1215億ドルとなり、7月の1兆1162億ドルから増加した。

 これに対してトップの中国も1兆1536億ドルと、7月の1兆1493億円から増加した。中国による米国債保有額は今年になって頭打ちとなり、それに対して日本の保有額がじりじりと追いつこうとしているものの、逆転するまではまだ時間もかかりそうである。中国は保有する外貨準備の運用の多様化を進めたり、介入の頻度を落としているといわれるが、米国債の保有額は昨年末に一時落ち込んでからは、一定水準を維持している。

 米国債の増加額が目立つ国としてスイスがある。スイスフラン維持のための介入により、外貨準備が急ピッチで増加しており、その一部が米国債にも振り向けられているものとみられる。また、英国も7月に比べて大きく増加させていた。

 上位10か国は次の通り(単位、10億ドル)。中国(China, Mainland)1153.6 、日本(Japan)1121.5、石油輸出国(Oil Exporters) 263.0、カリブ海の金融センター(Carib Bnkng Ctrs)256.9、ブラジル(Brazil)253.9、スイス(Switzerland)202.2、台湾(Taiwan)198.0、英国(United Kingdom)153.6、ロシア(Russia)153.3、ベルギー(Belgium)142.6。

 7月23日あたりにかけてドイツの2年債利回りがマイナスとなり、また10年債利回りも歴史的な低水準となり、米国債も同様の動きとなっていた。日本の長期金利も0.7%に迫った。欧州の信用不安は燻り続け、欧州の景気悪化懸念もあり、世界経済への影響も危惧され、一部の国の国債利回りが歴史的水準にまで低下したのである。

 しかし、欧州の信用問題に関して、スペインの財政も問題視されたが、市場で懸念されていたのはむしろスペイン国債の利回り上昇であった。これについては7月25日に、ECBのドラギ総裁がロンドンでの講演で、(ソブリン債の)高利回りの問題はECBの責務の範囲内にあるとし、ECBは責務の範囲内で、ユーロ存続のために必要ないかなる措置を取る用意があると表明するなどしたことが、市場の不安心理をやや後退させた。このため8月半ばあたりまで米国債は下落基調となり、米10年債利回りは1.8%台に上昇した。

 8月半ばあたりからは、ギリシャの債務に関する交渉などの行方が気になり、市場では再びリスクオフの動きが強まった。8月22日に発表された7月31日~8月1日開催の米FOMCの議事要旨によると、米経済が大幅に改善しない限り、FRBはかなり早期に追加緩和を行う可能性が示された。これを受けてQE3への期待感も出たことで、その後米国債は8月末にかけて米10年債利回りは1.5%台に低下していた。このように米債はいったん崩れたものの、その後切り返しており、その間に海外からの買いも入っていたとみられる。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-10-18 07:57 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー