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安倍自民党総裁は日銀総裁人事にも言及

 自民党の安倍晋三総裁は10月11日の記者会見で、2008年4月に白川氏が就任して以降の日銀の取り組みへの評価について、「量的な緩和、思い切った緩和を行っていくべきだろうと私は思っている。ということは、今までの対応は不十分ではないかと考えている」と語ったそうである(ブルームバーグ)。

 さらに白川総裁の任期は来年4月となるが(再任の可能性はある)、それまでに衆院選が行われ、安倍氏自らが首相になった場合の次期総裁人事について、「わが党が政権を取っていればの話だが、当然、政府と協調してデフレ脱却のために思い切った大胆な金融緩和を行ってもらえる方」が望ましいと述べた(ブルームバーグ)。

 この会見内容が伝わった際、安倍自民党総裁が政権奪還後に白川総裁を更迭すると示唆したと一時報じられたようだが、これはどうやら誤報であったようである。ちなみに1998年4月1日に施行された新日銀法では、内閣による日銀総裁の解任権はなくなっており、更迭や解任そのものはできない。

 日銀法の第二十五条には、「日本銀行の役員(理事を除く。)は、第二十三条第六項後段に規定する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除くほか、在任中、その意に反して解任されることがない。」とある。つまり、破産手続開始の決定を受けたとき、この法律の規定により処罰されたとき、禁錮以上の刑に処せられたとき、心身の故障のため職務を執行することができないと委員会(監事にあっては、委員会及び内閣)により認められたときを除いて解任はできない。

 白川日銀総裁の任期は2013年4月8日、その前に山口副総裁と西村副総裁の任期は2013年3月19日となっている。もし仮に安倍総裁が首相となった場合には、白川総裁の再任の可能性はなくなるとともに、たとえば山口副総裁や西村副総裁の総裁昇格といった可能性もなくなるとみられる。そうなれば新たな総裁・副総裁はすべて「思い切った緩和を行っていくべき」人物に置き換わるということになる可能性がある。

 白川総裁の再任については、新日銀法の施行以来の総裁は速水氏、福井氏ともに再任していなかったことで、そもそもその可能性は薄いとみていた。実際にこれだけの政治的な圧力も加わる中、白川総裁としても再任はあまり考えていないのではないかとも思われる。

 その新たな日銀総裁人事を、そもそも誰が行うのかすら現状はわからない。総選挙の時期も不透明ながら、その結果も不透明である。しかし、民主党でも前原氏のように積極的な金融緩和を求める人達も多く、それがすでに日銀審議委員の人事にも影響を与えている。

 たとえ民主党政権が続いていたとしても、いわゆる日銀の執行部(総裁・副総裁)は、現在の執行部とは180度変わった人事になる可能性がある。積極的な金融政策は良いが、手段を間違えるとたいへんな事態も発生しかねない。特に財政ファイナンスを意識させるような政策を取ることになれば、日銀に対する信認そのものが崩れかねない。

 我々の使っている紙幣の表面にある赤い印章は、「日銀総裁」の印章である。「総裁之印」と篆書という字体で書かれているが、日銀券というお札は、我々が安心して使えるように日銀総裁がその価値を保証しているものでもある。それだけ重要な責任を負っているのが日銀総裁であるだけに、その人事についてはかなり慎重な配慮が必要であることは言うまでもない。

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by nihonkokusai | 2012-10-13 09:18 | 日銀 | Comments(1)
Commented by mini3298 at 2012-10-13 13:13 x
安倍総裁自身「そういう方が望ましい」といっているのだから、人事がどうとかいいだすのはなぜ?
意味のよくわからない記事。
多分国債買い入れなどの話だろうが、今だって円刷ってドル(国債)買ってるだろう。
そして各国100兆円単位の大量の金融緩和しているが別に大きな問題になっていない。
むしろ日本がそれに無策だから円高で国内死亡に向かっているのじゃないか。
周りがリスクを下げてくれている今するべき。
国内産業を殺す急激な信認(円高)なんてクソ食らえ。
国民からの信認なくしたほうがいいという、これもグローバル主義というものだろうか(^^;
御用学者とかいう下世話な単語が思い浮かぶ・・・。
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