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8月の海外からの日本国債への投資状況

 財務省は10月9日に8月の国際収支(速報)を発表した。これによると経常収支は前年比4.2%増の4547億円の黒字となった。貿易収支は6445億円の赤字に。また、サービス収支も2225億円の赤字。所得収支は1兆3890億円の黒字となった。

 国際収支の発表には、付表として対外・対内直接投資、対外・対内証券投資も発表されている(財務省トップページ > 国際政策 > 関連資料・データ > 国際収支状況 > 報道発表資料)。このうち、8月の対外・対内証券投資を確認してみたい。

 「国内から海外の国債等への投資」は、主要国・地域ソブリン債への対外証券投資で確認できる。米国債への国内からの投資は、ネットで8月は5374億円の増加となり、7月の5326億円の減少から増加に転じた。ユーロ圏の国債についてみると、8月のドイツのソブリン債への投資は4663億円の増加とこちらも7月の4751億円減から増加に転じた。フランスへは954億円の増加、イタリアへは466億円の増加、英国は603億円の減少となっていた。

 日本の債券(主に国債か)に対する海外からの投資を見てみると、8月はネットで2兆2094億円もの増加となり、7月の9547億円の増加からさらに大きく増えた格好。内訳としては中長期債が7738億円、短期債が1兆4357億円の増加となっていた。7月は中長期債が3361億円、短期債が6186億円の増加となっていたが中期債も短期債もほぼ倍額の増加幅となっていた。

 8月の対内証券投資の地域別内訳をみると、日本の中長期債での購入額が大きいのが、英国の9329億円(7月は543億円増)がダントツで、次にタイの862億円(7月は478億円増)。中長期債への英国からのネットでの購入額は7月は小幅増に止まっていたが、8月に再び増加額を増やしてきた格好に。反対に中長期債での流出で多かったのは、中国の1592億円減(7月は1045億円増)、シンガポールの899億円減、フランスの873億円減。

 日本の短期債で購入が大きいのは、英国の5兆2017億円増(7月は7兆6709億円増)と引き続き突出している。これに中国の8590億円増(7月は7205億円減)が続く。中国は中長期債はやや減少させたが、その分短期債は買い越しに。これに対して流出は、フランスの1兆3003億円減(同1兆4339億円減)、ルクセンブルグの7625億円減(7月は1兆6904億円減)。アラブ首長国連邦3374億円減(7月は2591億円減)、シンガポール2546億円減(7月は7384億円減)、国際機関7387億円減(7月は6952億円減)。

 8月の日本の国債を主体とする債券への海外からの投資は大きく増加した。中長期債では英国が再び増加幅を広げたこと、中短期債では英国の増加額は7月に比べれば大きく低下したが、ルクセンブルグの減少幅が少なくなったことや中国の増加額がカバーした格好に。

 8月の債券相場は上旬は消費増税の行方が不透明となり、債券先物でシステム障害などもあって荒れた展開となるなか下落基調となった。しかし、8月中旬に10年債利回りで0.8%台に乗せてきたあたりからじりじりと押し目買いが入り、米債もQE3への期待感などから買われたことで、8月16日に143円27銭まで下落した債券先物は8月31日に再び144円台を回復させた。

 ちなみに10月9日に発表された9月の対外及び対内証券売買契約等の状況(月次・指定報告機関ベース)によると、対内証券投資については中長期債が4522億円(8月が5212億円)、短期債が6952億円(8月が1兆4412億円)のそれぞれ取得超となっており、9月に入ってからは、やや短期債への資金流入額が8月に比べて減っていた。短期債は9月に入り上旬にいったん大きく売り超した分を中旬でカバーし、下旬で買い越しのなった部分が全体の買い越しになった格好に。

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by nihonkokusai | 2012-10-10 09:12 | 債券市場 | Comments(0)
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