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前原経済財政担当相は日銀の決定会合に出席か

 日経新聞によると、前原誠司国家戦略相・経済財政担当相は2日の記者会見で、日銀について「(物価上昇率1%の目標を)実現するための努力をしっかりと政府からお願いしていく」と積極的な金融緩和を求めた。「(努力が)足りない時には政策決定会合に私も出られる立場になる」と述べ、普段出席する内閣府副大臣だけでなく自らも決定会合に出る可能性を示唆したそうである。ちなみに今日から明日にかけて、その金融政策決定会合が開催されるが、今回出席するかどうかは定かではない(追加、これについては4日に日経が、「前原誠司経済財政相は日銀の金融政策決定会合に出席する方針を固めた。4日始まった決定会合2日目の5日に政府代表として出席する。」と報じた)

 日銀の金融政策決定会合には、政府の代表が2人出席している。この2人とは財務大臣または経済財政政策担当大臣、あるいはそれぞれの指名する職員となっている。ただし、大臣が直接参加するのは極めてまれである。これは日銀法上、政府代表は議決権がなく、あくまでオブザーバー的な存在となっているためである。ただし、政府からの出席者は、決定会合において、経済情勢や政府の政策運営、金融政策運営などに関する意見を述べることができる。 

 政府からの出席者は議決権はないものの、提案された議案について、議決を次回の会合まで延期することを求めることができる。これが議決延期請求権である。これは2000年8月のゼロ金利解除の際に行使されているが、このときも大臣は出席していない。しかし、これについて全権を委託されていたとされる宮沢蔵相の最終判断により、過去に例のない議決延期請求権が行使された。過去に例のないというのは、この議決延期請求権はブンデスバンクの方式を取り入れたものの、そのブンデスバンクでは一時も行使されなかったためである。その後、金融政策はECBに委ねられたため、今後もドイツでの議決延期請求権行使はありえなくなった。

 過去において大臣が決定会合に出席したのを調べてみたところ、新日銀法が改正され初めての会合(1998年4月)で、松永光蔵相と尾身幸次経企庁長官が出席した。ただしこれは初回の金融政策決定会合という記念の意味も込めての出席とみられる。同年6月に尾身幸次経済企画庁長官、7月に松永光大蔵大臣がそれぞれ出席した。そして1999年2月と3月に堺屋太一経済企画庁長官、2001年6月~11月、2002年3月・5月・7月・12月、2003年4月に竹中平蔵経済財政担当大臣が出席している。これ以降、特に副大臣が設置されてからは副大臣の出席が目立つことになる。

 堺屋氏や竹中氏は前原氏同様に、日銀に対して批判的な立場であったこともあり、今回の前原氏と同様の意気込みで参加していたともみられる。ただし、それによって金融政策に影響がどの程度あったのかは不透明ながら、この間に議決延期請求権が行使されるようなこともなかった。

 経済財政政策担当の大臣も参加できる以上、前原氏が決定会合に参加するのは全く問題はない。むしろ大臣が直接金融決定の現場に参加することは、良い経験ともなるのではないかと思われる。日銀の外債購入についても財務相や官房長官がやんわりと否定しているように、特に為替に影響を与える以上は管轄が日銀にはなく、これは決定会合に出て日銀に何とかしろと言える筋合いのものでもない。このあたり含めて、とにかく一度決定会合に出てお互いの意見を聞くことも大事なのかもしれない。


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by nihonkokusai | 2012-10-04 08:07 | 日銀 | Comments(0)
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