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9月の日銀短観を見る上での注意点

 日銀が10月1日に発表した9月の短観によると、大企業の製造業DIはマイナス3ポイントで、3期ぶりの悪化となった。マイナス3ポイントというのはほぼ事前の予想の中心値に近いものとなった。

 日銀短観は3月、6月、9月、12月に調査が実施され、およそ1万1000社を対象に、今回は8月下旬から9月下旬にかけて調査が行われた。

 日銀短観は、各企業が業況感に関しての所定の調査表を記入し、それを郵送するかオンラインによって調査するものである。短観は、サンプル数も多い上、日銀が相手ということもあって回収率も高く、数多くある経済指標の中でも注目されている統計となる。

 短観は他の経済指標に比べ速報性に優れ、企業が認識している足元の業況判断とともに先行きの業況について、どのような予測をしているのかを見るためにも貴重な指標となる。

 短観の発表時間は発表当日の朝8時50分。同時刻に日銀のホームページにアップされる。

 10月1日に発表された9月の短観で大企業の製造業DIが悪化したのは、記録的な円高が長期化していることに加え、欧州や中国など海外経済の減速が長引き、それが国内の製造業の輸出や生産などに弱い動きが出ていることが主な要因とされる。

 ただし、今回の回答が9月11日で7割程度届いていたようで、9月16日以降に発生した中国の反日デモによる影響がほとんど加味されていない点には注意したい。もしこれが加味されていれば、大企業の製造業DIの先行きのマイナス3がさらに悪化していた可能性もある。

 大企業の非製造業はプラス8と6月調査と変わらずとなった。東日本大震災の復興需要から建設業の改善が引き続き影響しているようだが、ここにきて個人消費で弱めの指標もでるなどしており、先行きについてはプラス5とブラス幅が縮小している。

 事業計画の前提となっている想定為替レート(大企業・製造業) は6月の78円95銭から、79円06銭とやや円安に修正されている。現状(10月1日10時現在)はまだ78円近辺ではある。

 2012年度大企業・全産業の設備投資計画は前年度比プラス6.4%となった。中小企業・全産業の設備投資計画は前年比0.0%となった。

 9月28日に発表された8月の鉱工業生産指数速報値で生産指数が前月比1.3%の低下となり、市場予想を上回る減少となったこともあり、今回の日銀短観については思ったほどの悪化ではないとの印象である。

 ただし、中国の暴動の影響などもあり、たとえば設備投資について、「基調としては増加を続ける可能性が高いと思いますが、グローバルな企業マインドの悪化の影響が出てこないか、注意してみていく必要」(日銀の山口副総裁の講演より)がある。欧州の景気悪化懸念に加え、米国では財政の崖問題なども控えている。今後もなかなか企業マインドが改善してくるような状況ではなさそうである。

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by nihonkokusai | 2012-10-02 08:06 | 景気物価動向 | Comments(0)
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