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特例公債法案成立の遅れによる国債への影響

 9月14日の国債市場特別参加者会合で財務省から、いまだ成立していない特例公債法に関する説明があった。

 「現時点では、平成24年度における特例債の発行根拠となる特例公債法案が成立していないため、特例債の発行を後ろ倒ししているが、利付債の入札発行を平準的に行っていくには、法案が11月までに成立する必要があり、法案提出部局である主計局とともに、早期成立の必要性について引き続き訴えてまいりたい。」(財務省のサイト、国債市場特別参加者会合(第45回)議事要旨より)

 これは11月末までに法案が成立しなければ、12月以降の国債発行に支障が出る可能性があることを示唆している。つまり11月末までに特例公債法が成立しなければ、12月入札予定の国債の一部が休債に追い込まれる可能性が高い。

 そうなれば需給逼迫で国債は買われるとの見方があるようだが、いずれその未発行分は発行しなければならないものであり、単純に国債買いとはならないはずである。むしろ、日本の国債発行に支障が出ることそのものが、特に海外投資家などから懸念視されかねない。

 ちなみにこの特例公債法案が成立しなくても、日本の場合には国債の利払い・償還がすぐに滞ることはない。つまりデフォルト事由が発生することはない。これは国債の利払い費と償還費は、「国債整理基金特別会計」にプールされた資金で支払われるためである。

 一般会計において発行された国債などは、一般会計からの繰入資金(これが国債費と呼ばれるものである)を財源として国債整理基金特別会計から利払いが行われる。 さらに一般会計から本特別会計への定率繰入や、「特別会計に関する法律」の規定により発行される借換債の発行収入金等を償還財源として、60年償還ルールに従って減債され、国債整理基金特別会計から償還が行われている(財務省のサイト、国債整理基金特別会計より)。

 今年度の国債費が入らずとも、国債の利払い費と償還費はすでに特別会計でプールされた資金で手当できることで、今年度の国債の利払い費や償還費が払えないという事態には陥らないのである。つまり特例公債法が成立しないことで、日本ではデフォルトが生じることはない。

 だから特例公債法は早期成立させなくてもかまわない、というわけではもちろんない。今後の予算の執行にさらなる支障が出ることは間違いないため、早期に成立させる必要があるのは当然である。

<お知らせ>
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by nihonkokusai | 2012-09-29 11:20 | 国債 | Comments(0)
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