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ドイツ国債は下落するのか

 9月26日のドイツの10年債入札(満期、2022年9月4日)で応札額が39.51億ユーロとなり、目標上限の50億ユーロに届かず札割れとなった。9月5日の10年債入札(満期、2022年9月4日)でも応札額が39.30億ユーロとなり、目標上限の50億ユーロに届かず札割れとなっていた。その前にはやや遡り4月12日の10年債入札で41.09億ユーロと、やはり目標上限の50億ユーロに届かずに札割れとなっていた。つまり10年債入札では今年3回目の札割れとなった。

ドイツの国債入札結果はこちらのサイトで確認できる。
http://www.deutsche-finanzagentur.de/en/institutional/primary-market/auctions-results/

 9月5日の平均利回りは1.42%、9月27日は1.52%となっていたが、この水準では投資妙味に薄れたことで、実質的な札割れとなったとみられる。ただし、この札割れによって、資金調達計画への影響はないようである。また、市場への影響も限定的で、26日にはスペイン国債の下落などから、ドイツ国債の利回りはむしろ低下していたぐらいである。

 2011年11月の際のドイツの10年債入札の際の札割れは、市場に大きな衝撃を与え日本国債への売り圧力ともなったが、今年に入ってのドイツの10年債入札の札割れは、またか程度の受け止め方となっている。これは札割れとなっても、ドイツ政府の資金繰りに影響が出ないような仕組みとなっていることもある。

 ドイツでは入札予定に届かなかった金額分の国債は、いったん政府が保有し、それを7つある証券取引所で売却する場合にはドイツ連銀が、そして電子取引プラットフォームで売却する際にはドイツ国債会社(GFA)が行う格好となる。したがって流通市場で売却したのち国庫にお金が入る仕組みとなっている。

 ただし、今月は2回とも札割れが発生したのは、ドイツの国債の利回りが過去最低水準にまで低下していたことが大きな要因であるのは間違いない。これに関して、ドイツの国債発行機関であるドイツ国債会社(GFA)の責任者、カール・ハインツ・ドーブ氏が、同国の国債利回りが歴史的な低水準から上昇するとの見方を示していた(9月25日、ブルームバーグより)。

 ちなみにドイツでは2000年9月に連邦大蔵省、連邦銀行及び連邦債務管理庁の3機関に分散されていた国債管理事務はドイツ国債会社(German Finance Agency:GFA)に統合され、これにより国債の入札や管理の仕事はドイツ国債会社(GFA)に移された。

 このGFAのトップであるカール・ハインツ・ドーブ氏が「(ドイツ国債の)利回りが歴史的に低い期間を経て、長期的に利率が上昇する段階に復帰する兆しがある」と指摘したのはやや気になる。ただし、「この動きがどのくらい急速に起こるかは分からない」とも述べていたようであるが。

 果たして同氏の言うところの「兆し」とは何であるのか。今回の10年債入札での札割れもその兆しとしているのか、そのあたりはこの記事からは不明である。しかし、2011年11月のドイツの国債の札割れをきっかけとしたドイツ国債の下落を受けて、日本国債も一時ながら急激な調整が入っていたことで、このあたりは注意すべきものとなろう。

 ドイツ国債の歴史的水準への利回り低下の背景には、スペインなどの財政問題によるユーロ圏内の信用不安がある。ユーロ圏内での為替リスクのない最も安全とされるドイツ国債に資金が流入し、その結果、2年債利回りはマイナスとなり、10年債利回りも過去最低水準に低下している。

 たしかにファンダメンタルズや国債需給など他の要因等考えると、ドイツ国債はやや買われすぎているとの判断もあるのかもしれない。ちなみに、GFAはユーロ圏支援の拠出金に充てるため、今年第2四半期と第3四半期の国債発行規模を拡大するようである。

 ただし、リスク回避の動きが継続する限りにおいて、ドイツ国債に向かった資金が急激に引き揚げられるような可能性はいまのところ考えづらい。しかし、ドイツ国債もひとつのバブル相場の様相にあることは、マイナス金利の発生を見ても確かであろう。いずれその反動が出ることも予想される。そのあたりのリスクも念のため意識しておく必要があるのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2012-09-28 09:20 | 国債 | Comments(0)
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