牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

日銀の国債買入の下限金利の撤廃は輪番オペにも適用

 日銀は9月18・19日の金融政策決定会合において追加の金融緩和策を発表した。資産買入等の基金を70兆円程度から80兆円程度に10兆円程度増額する。この増額の対象となるのは短期国債5兆円程度、長期国債5兆円程度。さらに長期国債の買入を確実に行うため「買入」における「下限金利」(現在、年0.1%)を撤廃するとした。社債の買入についても同様となった。

 この長期国債の買入における下限金利の撤廃について、当日は市場関係者の間で一部混乱があったようである。これは日銀は日銀券ルールに基づく国債買入(輪番オペ)と、資産買入等の基金による国債買入を行っており、今回の下限金利の撤廃について通常の買入である輪番オペにも適用されるのかということであった。

 19日の決定会合後に発表された公表文の「金融緩和の強化について」によると、金融緩和を一段と強化する観点から「資産買入等の基金」につき、以下の決定を行った、とある。下限金利の撤廃については、長期国債の買入れをより確実に行うため、「当該買入れにおける入札下限金利(現在、年 0.1%)」を撤廃する。社債の買入れについても同様とする、としている。つまりこれには輪番オペに関しては触れていない。私自身はこの表明で、輪番オペも基金による買入も両方適用されると解釈してしまったが、確かに輪番オペもそうなるとはどこにも表記がなかった。

 これについては、総裁会見で記者から次のような質問があった。

「本日、長期国債買入れの入札下限金利を撤廃しましたが、輪番オペの下限金利についてはどうされるお考えでしょうか。」

 この質問に対する総裁の回答は以下の通り。

 「銀行券見合いの長期国債買入れの下限金利については、執行部にその運用が授権されていますが、資産買入等の基金に関する本日の決定との整合性を考えれば、入札下限金利は撤廃されることになります。その際、銀行券見合いの長期国債買入れについては、買入対象を残存 3 年以内に限っていないため、入札下限金利も全ての残存期間について撤廃されることになります。」

 つまり資産買入等の基金による国債の買入は、金融政策決定会合での決定事項であるが、輪番オペに関しては日銀の執行部マターとなっているため、こちらについては特に発表をしなかったものとみられる。ただし、資産買入等の基金に関する本日の決定との整合性を考えれば、入札下限金利は撤廃されることになると総裁は指摘していたが、このあたりは過去の経緯を知らなければ、市場参加者も理解しづらい部分であり、本来であれば公表文に注釈として付け加えるべきではなかったか。

 ちなみにもし「日銀券ルール」そのものについて、何かしら変更があるとすれば、これは執行部マターではなく決定会合マターになると思われる。これは下記の措置が2009年1月22日の金融政策決定会合で明文化されたためである。

参考、2009年1月「長期国債買入れの当面の運営について」
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/mok0901c.pdf

 輪番オペによる国債の買入対象は特に残存3年以内に限っていないため、入札下限金利も全ての残存期間について撤廃されることになると白川総裁は指摘していたが、まあ超長期とかの長い期間の金利については、さすがに意識することはないでしょうが、結果として全期間適用ということになる。

<お知ら>
9月20日に秀和システムより、「ポケット図解 日本銀行の仕組みがわかる本」の最新版が発売されました。中央銀行の金融政策についてやさしく書かれた本はあまりみあたりません。しかし、日銀をはじめFRBやECBの金融政策の動向はますます注目が集まっています。中央銀行の基礎知識とともに最新の動向をさらっと確認しておけば、あなたも今日から日銀通に。アマゾンなどで好評発売中です。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp
[PR]
by nihonkokusai | 2012-09-21 12:39 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー