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来年度の借換債は約7.5兆円の増額に

 9月14日に国債市場参加者特別会合(PD墾)などにおいて、財務省から、今後の国債発行予定等に関しての以下のような説明があった。

 「平成25年度概算要求における国債発行額のうち借換債の発行額は、60年償還ルール等に基づいて計算される約119.9兆円を計上しており、平成24年度予算と比べて約7.5兆円の増額となっている。」

 「概算要求において買入消却の財源に充てることを想定している23年度剰余金の今後の処理状況や、25年度の買入消却の規模によっては、さらに借換債を増額する必要が生じる可能性がある。」(以上、財務省のサイトにアップされた国債市場特別参加者会合(第45回)議事要旨より)

 来年度の借換債が今年度に比べて約7.5兆円の増額となるのは、「リーマン・ショックが起こった2008~2009年にかけ、景気対策のための財政出動の財源として5年物国債を大量発行。その満期を13~14年度に迎える」(14日の日経新聞)ためとされる。

 建設国債と赤字国債(特例国債)には発行時の償還期限にかかわらず、すべて60年かけて償還される仕組み(60年償還ルール)があり、それに基づいて発行される国債が借換国債もしくは借換債と呼ばれている。

 実は同じようなことが過去にも起きている。国債の「2008年問題」と呼ばれていたものである。2008年問題とは小渕政権当時の1998年に銀行の不良債権処理やアジア市場の金融危機による日本経済への影響を踏まえての何でもありの景気対策のために、10年国債が大量に発行され、その10年後に借換債が大量発行されることによる問題である。

 2008年には1998年発行の10年国債が大量に償還されたのは確かであったが、それがすべて現金で償還されるわけではない。国債には前述のように60年償還ルールがあり、2008年における「10年国債」の現金償還はその六分の一だけであり、残りの分は借換債が発行される仕組みとなっている。問題とされていたのはその借換債の発行額の大きさであった。

 2008年問題において、発行が集中していた借換債については手が打たれ、財務省によるバイバックや前倒し発行などを通じて借換債の平準化に向けての作業も進み、国債市場への影響は限られた。

 今回についても平準化に向けた動きも出ると予想され、そもそも借換債に対しては、国債への信認が続き、他金融商品への乗換のインセンティブが強まるようなことがなければ、再投資されるはずのものであり、それほど懸念する必要もないと思われる。

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by nihonkokusai | 2012-09-20 09:33 | 国債 | Comments(0)
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