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8月8日、9日の金融政策決定会合の予想

 8月8日、9日に日銀は金融政策決定会合を開催する。前回7月11日、12日の決定会合以降、日本の景況感に大きな変化はない。金融政策については現状維持となると予想される。

 7月25日の講演で山口副総裁は、「何らかのショックによって見通しが下振れたり、見通しを巡るリスクが大きく高まるような場合には、追加的な金融緩和を実施することを躊躇しません。」と発言していた。

 7月の会合以降、スペインへの財政懸念によるリスク回避の動きが強まり、スペインの10年債利回りは再び7%台に乗せ、外為市場ではユーロ円が95円を割り込むなど円高が進行し、欧米の株安もあり、日経平均も一時8300円を割り込んだ。しかし、その後はやや株も持ち直しており、円高の動きも一服している。一時リスクは大きく高まったものの、その後は落ち着きを取り戻しつつある。

 7月31日、8月1日に開催されたFOMCでは金融政策は現状維持となり、QE3とか超過準備の付利の引き下げもなし、超低金利政策の継続期間についても、2014年の遅くまでとの表現を据え置いた。8月2日のECB政策理事会でも主要政策金利であるリファイナンス金利を0.75%に据え置いた。ただし、記者会見でドラギ総裁は、利下げの可能性について討議したことも明らかにした上、短期債主体にイタリアやスペイン国債の買い入れの準備を進めていることは表明した。

 ECBは追加策を出さなかった上に国債買入も具体的な内容が発表されず、ドイツ連銀のバイトマン総裁が国債買入に反対したことが明らかなり、市場では一時リスク回避の動きを強めることとなった。

 しかし、その後、市場は冷静さを取り戻し、短期債主体のイタリアやスペイン国債の買い入れ実施の可能性を意識した動きも出て、7月25日には7%を越えていたスペインの2年債利回りはここにきて3%台に低下した。

 欧州の動向も日銀の金融政策には大きな影響がある上に、FRBがもし動きを見せていれば、為替動向も意識して日銀が追加緩和に動く可能性はあったが、欧州の動向はやや落ち着き、FRBも動きを見せなかったことで、日銀も追加緩和に動く可能性は少ない。

 ただし、市場では今回から新審議委員が2人参加することで政策委員会の様子が変わるのではないかとの見方があり、また、日銀による国債の買入での未達が起きたことで1年を越える期間の国債でも買い入れの際の下限金利を撤廃するのではないかとの見方もある。

 これについては、まずマスコミ等でハト派と意識されている佐藤審議委員・木内審議委員が今回の決定会合から参加することで、追加緩和に前向きの動きが出るのではとの期待があるかもしれない。しかし、審議委員は日銀役員であるが、2人は日銀プロパー出身ではないことで日銀の業務などについても詳しく知る必要がある。また、少し様子を見たいと、期間をおいて状況を確認したいとするはずで、いきなり追加緩和を議事提案するようなことはしないと思われる。そもそも佐藤氏はさておき、木内氏あたりはそれほどハト派との認識ではない。2人が加わってもいきなり追加緩和に傾斜するようなことはないと思われる。

 7月31日の2年国債の入札で落札利回りが0.1%を下回った。さらに1日の残存期間1年以上2年以下、および2年超3年以下を対象にした基金による国債買入において、未達が発生した。このため残存1年を越える長期国債の買入れについても、下限金利を撤廃するのではないかとの観測がある。

 そもそも、下限金利については決定会合の決定事項ではなく、いつ決めてもおかしくはない。実際に7月12日の金融政策決定会合で、基金を通じた短国買入の入札下限金利の0.1%の撤廃は発表したが、7月17日に基金ではなく通常の長期国債買い入れ(輪番オペ)においても残存期間1年以下を対象に0.1%の下限金利を撤廃している。タイミングはさておき、今回の決定会合で残存1年以上の長期国債の買入の際の下限金利を撤廃するかどうかは、8月2日の森本審議委員の会見での発言が参考になりそうである。

 「長期国債の買入れについては、昨日発生した札割れがこれからも続くのか、そうした中でオペの運用上の工夫で、それが上手くクリアされていくのかを見極めながら、引き続き、資産買入れは着実にしっかり進めていきたいと考えています。」(8月2日の森本審議委員の会見より)

 8月6日の国債買入(輪番オペ)において残存期間1年以下と残存1年超10年以下の2本がオファーされたが、未達は免れており、もう少し状況を見るのではないかと思われる。このため、今回の決定会合での、残存1年以上の国債買入の際の下限金利撤廃のアナウンスもないのではないか予想している。

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by nihonkokusai | 2012-08-08 09:27 | 日銀 | Comments(0)
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