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つなぎ国債発行による影響

 7月31日に2012年度の赤字国債を発行するための特例公債法案の修正案が、閣議決定された。

 基礎年金の国の負担分を二分の一に維持する2.6兆円の財源について、政府は当初「交付国債」を発行して対応するとしていた。消費税率の引き上げの見通しが立っていないとなれば「つなぎ国債」の発行は難しいとし、安住財務大臣は「交付国債」を発行する案を示していたのである。

 ところが、交付国債を発行した場合には、将来の年金支払いに備えて保険料を原資とした年金特別会計の積立金を取り崩していったん穴埋めする必要がある。このため厚労省は「一時的であっても積立金を取り崩せば、年金財政への信頼が揺らぐ」と反発していた。結局、自民、公明両党の反対により、社会保障・税一体改革関連法案に関する民主党と自公両党による3党合意でこれは撤回されることが決まった。

 つなぎ国債としての年金特例公債の償還財源は、審議中の社会保障・税一体改革法案の施行による消費税の増収分を充当することになる。これに伴い、政府は今年度内に補正予算を編成し、年金特例公債の発行による歳入の追加との年金特別会計への繰り入れを行うことになる。

 財務相は今年度想定される2.6兆円の年金特例公債(つなぎ国債)の増発分に関して、カレンダーベースの発行額は変更しない方針を明らかにしている。この分は前倒し発行分の取り崩しで行うことで、今年度予定されているカレンダーベースでの発行額149.7兆円に変化はなく、このため国債市場への影響も限定的となる。

 ただし、自民党は31日の役員会で、この修正案にも現時点で反対する方針を確認しており、衆院で可決される可能性は高いようであるが、参院で可決・成立されるかどうかは見通せない状況となっている。

 政府・民主党は、特例公債法案の衆議院での採決について、消費税増税法案の参議院での採決前に行う構えだが、自民党はこの法案を解散・総選挙に追い込むためのカードというか人質としているようである。

 国債市場にとり、つなぎ国債が発行されても国債需給にはほとんど影響されないため、材料視していない。ただし、特例公債法案が成立しない場合には、10月中に財源がほぼ枯渇するとの見通しも示されており国債市場への影響も考えられる。危険な綱渡りは避けるべきではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2012-08-02 11:07 | 国債 | Comments(0)
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