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日銀による金融政策のターゲット

 日銀は1995年3月の短期金利低め誘導以来、無担保コール翌日物の金利を政策金利にしています。取引量も多く金利全体の基準とも言えるものなので、日銀としてもオペレーションなどによってコントロールしやすいため、これを操作することにより、さらに長い期間の金利にも間接的に影響を与えることが可能となります。

 政策金利がゼロ近辺となった際には別な目標が必要となります。このため、2001年3月から2006年3月の量的緩和政策の際のターゲットは日銀の当座預金残高となりました。

 リーマン・ショック以降の金融経済危機への対応の際には、無担保コール翌日物の金利の引き下げ余地に限界があり、新型オペによる資金供給額が目標とされました。

 2010年10月の包括緩和政策の決定により、ゼロ金利政策が打ち出され政策金利の引き下げ余地はほぼなくなりました。このため、新たに導入された資産買い入れ基金の額が金融政策における新たなターゲットとなっています。

 伝統的手段において、中央銀行は短期金利を動かすことにより、より長めの金利に働きかけようとします。つまり、債券市場そのものに影響を与えることで、景気や物価の動向に働きかけようとしているのです。将来の物価変動とともに短期金利の先行きの見通しが、長期金利を形成します。短期金利の将来の見通しについては中央銀行の金融政策の動向が大きな影響を与えます。これについては、政策金利が実質的なゼロ近辺にまで低下してしまった場合の金融政策、いわゆる非伝統的手段における金融政策の内容を確認するとそのあたりが明確になります。

 2010年10月の決定会合で決められた包括緩和政策についても、ゼロ金利政策を復活させたことに加え、「中期的な物価安定の理解」に基づき、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していくとし、時間軸を明確化しました。これによりゼロ金利が長期化されると市場が予想すれば、より長い期間の金利の低下を促します。これが時間軸の強化とも呼ばれるもので、長期金利の低下を促すことが目的となります。さらに日銀のバランスシート上に基金を創設することを決定しましたが、この基金による長期国債の買入は、日銀券ルールには縛られないかたちでのものとなりました。このあたりも長期国債の需給に大きな影響を与えることとなります。


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by nihonkokusai | 2012-07-26 11:19 | 日銀 | Comments(0)
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