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日本国債への海外からの買いは継続中

 財務省は7月9日に5月の国際収支(速報)を発表した。これによると経常収支は前年比62.6%減の2151億円の黒字となった。前年比では赤字に転じた1月を除いて2011年12月以来の大幅減となった。これは貿易赤字が拡大したことに加え、所得収支の黒字幅が縮小したことが影響した。

 ただし、この所得収支の黒字幅縮小は、海外企業の本邦進出形態が支店形態から現地法人形態に変更されたことによる一時的な要因とみられる(ロイター)。

 国際収支の発表には、付表として対外・対内直接投資、対外・対内証券投資も発表されている。このうち5月の対外・対内証券投資を確認してみたい。

 主要国・地域ソブリン債への対外証券投資を見てみると、米国債への国内からの投資は、ネットで5月は9855億円の増加となり、4月の2兆8117億円の減少から再び増加に転じた。ユーロ圏の国債についてみると、ドイツのソブリン債への投資はネットで5月は702億円の減少となった。4月は5525億円の減少。同様にフランスはネットで5月は2773億円の増加。4月は3331億円の増加。 そしてイタリアは5月が250億円の増加、4月は65億円の減少。英国は5月が1187億円の増加。4月は765億円の減少。

 今度は日本国債に対する対内証券投資を見てみると、5月はネットで1兆6630億円の増加となった。内訳としては中長期債が5247億円、短期債が1兆1383億円の増加。4月は1兆7952億円の増加だが、内訳としては中長期債が1兆186億円、短期債が7766億円の増加となっている。

 ちなみに7月10日に発表された6月の対外及び対内証券売買契約等の状況(月次・指定報告機関ベース)によると、対内証券投資については中長期債が1兆2348億円、短期債が3867億円のそれぞれ取得超となっている。

 5月の対内証券投資の地域別内訳をみると、中長期債での購入額が大きいのが、英国の3145億円、中国の1753億円。流出ではシンガポールの725億円、米国の462億円。

 そして、短期債の購入が大きいのは、英国の6兆5283億円、中国の1402億円。これに対して流出は、フランスの1兆4259億円、ルクセンブルグの1兆1394億円、UAE5999億円、タイ3710億円、シンガポール3573億円等々。

 短期債については4月も英国は7兆3861億円の購入となっていたが、フランスが1兆6693億円、ルクセンブルグ1兆191億円、シンガポール6552億円、タイ4211億円、UAE4886億円のそれぞれ流出となっていた。

 4月から5月にかけての日本国債への海外からの投資は英国経由もしくは中国を中心に継続しており、6月についても同様に増え続けている。この間の日本の債券相場はじりじりと上昇基調となっており、その背景のひとつにこの海外投資家による買いもあったものとみられる。

 ただし、6月も短期債は3867億円の増加に止まっているあたりが少し気になる。6月もヘッジファンドを通じての英国からの大量の買いが継続していたとすれば、4月、5月と同様に欧州やアジア、中東あたりからの日本の短期債への売りが継続している可能性がある。


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by nihonkokusai | 2012-07-11 09:37 | 国債 | Comments(0)
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