日銀への関心度
現在に関し、1年前と比べると良くなったが3月の1.9から今回は4.5に上昇し、悪くなったが57.5から44.0に低下した。1年後を現在と比べ、良くなるが6.7から7.8に上昇し、悪くなるが37.1から33.8に低下している。
さらに景況感D.Iのグラフをみると、現在の景況感については2009年3月を底にして上昇過程にあり、震災のあった昨年3月の調査時よりも数値上は上回ってきている。プラス圏まではまだ遠いものの、トレンドとしては上向きトレンドが継続しそうである。
今回はこの景況感よりも、日銀に対する関心や認知度、評価に関する結果について見て行きたいと思う。
日本銀行の活動に日頃から関心があるかとの問いには、5割近い人が「関心はない」と答えている。自分のことで恐縮だが、金融に関するブログを書いていて、日銀に関するものを取り上げた際と、債券や国債に関して取り上げた際にあきらかにアクセス数が異なる。日銀を取り上げた際のアクセスはかなり低いのである。これは私自身の知識不足等も影響しているかもしれないが、そもそも日銀への関心があまり高くないことを示しているのではないかと思う。
ただし、日本銀行は私たちの生活に関係があるかとの問いについては、7割以上が関係があると答えている。さらに日本銀行は私たちの生活に役立っているかとの問いについては、5割弱が役立っているとしており、役だっていないは1割程度となっている。
そして日本銀行の外部に対する説明はわかりやすいかとの質問に対しては、わかりにくいが6割程度を占めている。その理由としては、日本銀行について基本的知識がない、日本銀行の説明や言葉が専門的で難しい、金融や経済の仕組み自体がわかりにくい、などが挙げられている。
日銀の役割等については中学生あたりでも学習するであろうが、中学生に金融政策を説明しようとしても確かに難解すぎる。かといって高校生の社会で選択科目として政治経済を取る人は、日本史や世界史などに比べて少数派となっているのではなかろうか。大学に入り、文系の一部では金融を学ぶ機会があるかもしれないが、それでも現在の日銀の役割をしっかり認識できている学生は一部であるのかもしれない。教育がこのような状態であるとすれば、一般社会人が日本銀行について基本的な知識がなく、用語が難解であるとしても致し方ない。そもそも金融の仕組みそのものを学ぶ機会が少ないことも影響していよう。
このような状況で、日本銀行を信頼しているかと問われても、漠然とした答えしか出てこないと思うが、それでも信頼しているが4割程度おり、信頼していないは1割程度である。
信頼している理由については、日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っ ていると思うからが圧倒的に多く、中立の立場で政策が行われていると思うから、が続いている。
日本銀行を信頼していない理由について最も多いのが、日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思わないから、となっている。また、中立の立場で政策が行われていると思わないから、との意見もあった。
この日銀への関心度のアンケート調査は、ぜひ国会議員の間でも行ってほしい気がする。たぶん一般回答よりは、多少日銀への関心度は高まるかもしれないが、それでも国会議員でも関心度は今回の数値と比べてそれほど高くないと思われる。ただし、一部の国会議員の関心度は妙に高いようで、日銀を信頼せず、中立の立場で政策が行われていることに疑問を投げかけている。このような意見が国会議員の間では、どの程度のシェアを占めているのかも知りたいところである。
*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***
「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」
講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp