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6月以降の相場の流れの変化に注意

 いまさらではあるが、6月に入り金融市場の流れが大きく変わりつつある。欧州では6月17日のギリシャの再選挙という大きなイベントがあり、その結果次第ではギリシャのユーロ離脱も懸念されたが、最悪の事態は回避された。さらにギリシャへの懸念が後退したと思ったら、今度はスペインの金融不安が再浮上してきた。さらに欧米の景気の先行きが怪しくなり、これは中国などでも同様であり、世界的な景気減速の懸念もまた強まってきていたが、市場の動きを見る限り、いわゆるリスクオフの動きは6月に入ってからは弱まりつつあるように思われる。

 これについては何を持ってリスクオンやリスクオフをはかるのかという問題があるかもしれないが、ひとつの指標としては米国、ドイツ、英国、そして日本の各国債の利回りの推移変化がある。

 6月1日にドイツ、フランス、オーストリア、ベルギー、オランダ等の長期金利(10年国債の利回り)が過去最低を記録し、英国債も10年債が一時1.5%割れとなるなど、あらゆる年限で利回りでの過去最低を記録した。米10年債利回りも1.4%台に低下しており、30年債利回りも一時2.51%近辺に低下し過去最低利回りを記録していた。日本では4日に10年債利回りは0.8%割れとなり0.790%まで低下した。そして債券先物は一時144円台に上昇したのである。これを見る限り、リスクオフの動きがかなり強まっていたことがことが伺えた。

 しかし、これらの国債については、欧米では6月1日、日本では4日がピーク(利回りではボトム)となり、その後はそれぞれ動き方はことなるものの、利回りは上昇しつつある。

 株式市場においても同様の動きとなっており、日経平均株価は4日につけて8200円台を底にじりじりと値を戻す展開が続いている。米国株式市場でもダウ平均は6月5日をボトムに大きく上げ下げしながらもトレンドとしては上向き基調になっている。

 外為市場では、ユーロドルも6月1日あたりから徐々にユーロがドルに対して戻り基調となり、また逃避先のひとつとして買われていた円についても、ユーロやドルに対してじり安基調となっており、ユーロ円は一時101円台、ドル円は80円台を回復している。

 これらの動きについては、欧州への不安の強まりとそれを材料とした仕掛け的な動きも相まって、大きなリスクオフ相場を形成してきたが、さすがにその動きについても息切れしてきたことで少し反動があったと言えるかもしれない。ドイツ国債については、欧州危機によるドイツへの財政負担への懸念により売られている側面もあろう。

 これらの動きに対して、日本国債については10年債の0.8%割れや債券先物中心限月の144円台というのは、4日にピークアウトしたが、その後は意外なほどの下げ渋りとなり、10年債は0.8%台前半、債券先物も143円台後半でのもみ合いが続いている。ただし、超長期債については20年債が4日の1.6%割れから1.7%近くまで、30年債は4日の1.760%近辺から一時1.9%近くまで利回りが上昇するなど、それなりの調整が入っていた。こちらの方が、他市場の動きからみて素直な動きにも見えなくもない。

 10年債などの底堅さの背景には、6月の国債大量償還による影響などもあったと思われる。以前では投資家層が薄いといわれた10年債ではあるものの、日銀の金融政策による影響などもあり、0.8%近辺の膠着相場が続いているものと考えられる。

 しかし、日本の長期金利の1%割れの水準は、以前にも指摘していたが、警戒すべき水準でもある。何かしらのきっかけにより、一時的に今後調整売りが入り、大きく下げる可能性もありうる。もちろん2003年の債券急落相場の経験もあり、高値警戒も強いため0.8%を割り込んで買い進むこともないことで、この水準が居心地良いという見方もあるかもしれない。しかし、それでも過去の国債の動きを見る限り、利回りが歴史的な低水準にあることに変わりはない。

 現状、欧州の信用不安が後退するとの見方はむしろ少数派であろうし、欧米などの景気減速への懸念も強く、このままリスクオンの動きが続くというのも考えづらい面はある。しかし、あとから確認して世界的なリスクオフの動きは実は6月初めでピークを迎えていた、ということになる可能性も否定はできない。このあたり、欧米の市場動向、特にチャート面での動きについてみ注意深く見守る必要もありそうである。


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by nihonkokusai | 2012-06-26 09:43 | 債券市場 | Comments(0)
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