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またまた少数派となったイングランド銀行のキング総裁

 イングランド銀行は20日に、6月6~7日の金融政策委員会(MPC)の議事要旨を発表しており、これによりこのMPCの際、資産買い入れ枠を3250億ポンドに据え置いたのは5対4の賛成多数による決定であったことが明らかとなった。しかも、キング総裁は、マイルズ委員、ポーゼン委員がとともに500億ポンドの増額を主張しており、フィッシャー委員の250億ポンドの増額の主張と合わせ、現状維持に対しての反対票を投じていたのである。キング総裁が少数派になるのは2009年8月以来だとか。

 2009年8月のMPCでは6対3で資産買取枠の500億ポンド増額が決定されたが、反対票(750億ポンドの増額主張)を投じた3名にキング総裁が含まれていた。 結果として少数派となっていたのである。

 2007年6月のMPCではキング総裁は0.25%の利上げに一票入れたものの、結局5対4で利上げは見送りとなった。2005年8月のMPCでも、5対4とこのときもキング総裁は少数派となっていた。

 このように現在のイングランド銀行の金融政策の決め方では、総裁が少数派となることがある。これについては1997年のイングランド銀行の改革の際、当時のジョージ総裁が次のような発言をしていた。

 「(新設されたMPCでは)学識のある9人の個人がそれぞれ結論を出す。そのプロセスが重要なのであって、たまたま(委員会)の議長(総裁)だからといって、1人が「こうでなければいけない」と仕切るのはプロセスの意図に逆らうこと。原則として、議長が考えを通そうとするのは間違いだと思ったからだ」(2005年5/3・10週刊エコノミスト「ロンドンで見たイングランド銀行 華麗なる改革史」より)

 まさに委員会制度をとるのであれば、このような決め方はたいへん透明性がある。ただし、日銀ではこのように議長である総裁が少数派に回ることは考えづらい。確かに2008年10月の0.5%から0.3%への利下げに際しては、利下げ幅を巡り水野委員、中村委員、亀崎委員そして須田委員が議長案に反対した。票決は4対4と真っ二つに別れ可否同数となったため議長が決するという異例の事態となったことはある。それでも議長案を出す際には、ある程度それが通るという見通しのもとで行われているようで、議長が少数派になりにくい決め方となっている。

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by nihonkokusai | 2012-06-25 09:49 | 中央銀行 | Comments(0)
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