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ギリシャのユーロ離脱回避は欧州危機の転換点になるか

 6月17日のギリシャの再選挙では、救済受け入れと緊縮措置に前向きな新民主主義党(ND)と全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が合わせて過半数を制したようである。

 今回のギリシャの選挙でギリシャ国民は、緊縮措置を受け入れるか、それともそれを放棄してユーロ圏離脱のリスクを冒すかの選択を迫られていた。どちらに転ぶのかは結果を見るまではわからなかった。このため、G20当局者は金融市場に混乱が生じた場合に備え、日欧米の中央銀行が流動性供給策を講じる準備を進めるなどしていた。

 しかし、ギリシャ国民はユーロ圏離脱のリスクを冒すような選択はしなかった。あえて価値の下落が見えている新通貨への乗り換えなどは、事態をさらに悪化させるだけとなることを意識してのギリシャ国民の投票行動となったものとみられる。

 他の欧米諸国にとっても、これ以上のユーロ圏での混乱は避けたいところであったはずである。ギリシャを放り出せばいったん問題は解決されるのかもしれないが、第二のギリシャが出るのではないかとの不安も出てこよう。ユーロというシステムがギリシャ離脱をきっかけに総崩れとなる懸念もあるため、なんとかギリシャをつなぎ止めたままてで、解決策を図ることが必要であったはずである。

 今回のギリシャの選挙結果を受けて、最悪の事態は避けられる格好となったが、今後の状況はまだ予断を許さない。いわゆるトロイカとの融資条件の再交渉も控える。ギリシャ支援の次回分が実行されるためには、事前審査があり、それまでに新政権そのものが発足していなければならない。

 今回の危機封じ込めのための事前準備では、中央銀行による流動性供給策が打ち出されていたが、結局、中央銀行頼みの姿勢は危機対策には限界があり、それも対処療法となってしまうことを示した格好となった。さらに中央銀行の政策そのものにも限界があることも確かであろう。そして、スペインの金融不安についても、先行き不透明であり、欧州危機に対してはまだまだ火種は残る。

 しかし、欧州危機がスパイラル的に広がるきっかけとなりかねなかったギリシャの選挙結果を見る限り、ユーロというシステムは守られなければならないとの意識も強いことも明らかとなった。今後は支援に向けたドイツなどの本気度も試されようが、今回のギリシャの選挙結果を受け、2010年から続くユーロ危機は、ひとつの転換点を迎えた可能性もありそうである。


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by nihonkokusai | 2012-06-19 09:36 | 国際情勢 | Comments(1)
Commented by 吉沢@幸運のススメ at 2012-07-13 00:43 x
ヨーロッパ経済はどうなっていくんでしょうね。
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