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日銀の政策委員のお仕事

 日本銀行の資本金は、1942年に公布された日本銀行法で1億円と定められ、このうち5500万円を政府出資、残りの4500万円を民間出資とした。これは、1998年に日銀法が改正されても受け継がれている。出資者には出資口数を証した出資証券が発行される。この出資証券はジャスダックに上場されており、株式に準じて取引されている。

 日銀は日銀法に基づいて設立された認可法人であり、米国のFRBのような政府機関との位置付けではない。日銀の最高意思決定機関として政策委員会が置かれている。そのメンバーが政策委員と呼ばれ、総裁、副総裁2人、審議委員6名の合計9名で構成されている。

 政策委員の仕事としては、月1回もしくは2回開催され、金融政策について審議、決定を行う金融政策決定会合で金融政策を決定するだけの簡単なお仕事(現実には簡単ではないだろうが)とのイメージがあるかもしれないが、それだけではない。

 政策委員会は、金融政策決定会合において通貨および金融の調節に関する方針を決定するほか、その他の業務の執行の基本方針を定め、役員の職務の執行を監督する権限なども有している。その中には、「支店その他の事務所及び代理店の設置、移転又は廃止」、「給与等の支給の基準」、「不動産その他の重要な財産の取得又は処分」なども含まれ、一般の会社での役員会(取締役会)のような業務が含まれている。

 ちなみに日銀の役員とは、日銀法では役員として、審議委員六人のほか、総裁一人、副総裁二人、監事三人以内、理事六人以内及び参与若干人を置く、となっている。

 そのほかに原則週2回定例的に開催され、金融政策以外の重要事項を審議する通常会合もある。つまり一般の会社で言うところの役員会が週2回開催されており、そこで細かい取り決め等が行われている。両会合を合わせると平日はほぼ2日に1回の割合で、金融政策や日銀の業務運営等についての審議や決定を行っている。さらに、総裁や副総裁は、国会などへの出席やBIS会議など海外での会合への出席もあり、また審議委員も講演などもあり、かなり多忙のようである。

 ちなみに日銀の金融政策決定会合の終了時間が通常よりも遅かったりする場合があり、金融政策の審議そのものが紛糾しているのではとの思惑が出ることがある。しかし、その可能性も否定はできないが、それ以前に当日、政策委員全員の署名が必要となる取り決め事項が多かったりすると時間が長引くことも多いようで、一概には言えないようである。

 日銀法によれば、「審議委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」とあり、旧日銀法にあったような業界代表方式とはなっていない。このため、審議委員が金融関係者に偏ろうが法律上は何ら問題はない。また、イングランド銀行のように外国人が登用できるかについても、法律上は規定はなく可能との認識のようである。

 日銀法では、総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する、とあり、こちらは審議委員のような「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者」との制約もない。もちろんそれは、あらためてそんなことを記すまでのことではないということであろうが、日銀法上では私でもなれるということであろうか(両院で同意されるはずもないが)。

 日銀法には、総裁、副総裁及び審議委員の任期は五年、監事及び理事の任期は四年、参与の任期は二年とするとある。

 今回の審議委員人事が果たして両議院の同意が得られるかどうかはまだ不透明ではあるが、もし同意を得られたとしても、今度は総裁と副総裁の人事が控えている。白川総裁の任期は来年4月8日、山口副総裁と西村副総裁の任期は来年3月19日までとなっている。

 日銀法には、「総裁、副総裁、審議委員、監事、理事及び参与は、再任されることができる」とあるが、日銀法改正以来、審議委員は再任のケースはあったが、総裁や副総裁ではそのケースはいまのところはない。再任か、との見方もいまのところほとんど出ていない。

 日銀の総裁、副総裁人事は現在の政治の状況では、どう転ぶか全くわからず、その動向次第では日銀の在り方が大きく変化しかねず、注意が必要となろう。


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by nihonkokusai | 2012-06-15 09:31 | 日銀 | Comments(0)
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