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1949年に日銀政策委員会が設置された経緯

 日銀の最高意思決定機関である政策委員会(旧日銀法上)は、1949年の日銀法の一部改正により誕生したものである。この導入についてはGHQ(連合国軍総司令部)による「戦後民主化」の一環として打ち出されたものであったが、当初はジョセフ・ドッジ顧問(ドッジ・ラインの立案者)の日本銀行から独立した政策決定機関であるポリシー・コントロール・ボードを置くとの構想(米FRBを意識か)に対し、ジョセフ財政顧問と当時の一万田日銀総裁の会談等により、最終的には日銀内部に置かれることとなった。このあたりのやりとりについては、日銀百年史に詳しく記述されている。

日本銀行百年史(第5巻) http://www.boj.or.jp/about/outline/history/hyakunen/hyaku5.htm/

 ここで議論を呼んだのは政策委員会の互選により議長を定めるとした点で、日銀の最高意思決定機関の政策委員会議長に、日銀の業務執行の最高責任者である日銀総裁が付くことを意味する。もし日銀総裁が議長という権限を持つと、これに太刀打ちしていく材料を得ることは非常に困難であるので、総裁の思惑通りに物事が決まっていくのではとの懸念が示されていた。ただし、これについては修正は施されず、委員の任命は内閣のみの権限とせず、衆参両院の同意を要するとの修正が行われ、「日本銀行の一部を改正する法律」が昭和24年6月3日に公布・施行された(日銀百年史より)

 これにより、これまで大蔵大臣の認可を必要としていた「基準割引歩合および貸付利子歩合」(いわゆる公定歩合)の決定・変更、ならびに公開市場操作の対象となる債券の種類については、政策委員会の権限となった。

 政策委員会のメンバーは、日銀総裁、大蔵省代表1名、経済安定本部代表1名、金融業に関し優れた経験と見識を有する者2名(都銀と地銀)、商業及び工業に関し優れた経験と見識を有する者1名、農業に関し優れた経験と見識を有する者1名の計7名で、議長は委員の互選により決められる(これは形式上のものとなり日銀総裁が議長に)。

 この政策委員会の設置は、日銀のガバナンスの上で画期的な意義を有する改革との認識もあったが、結果として中央銀行としての独立性・中立性の観点からは大きな進展はなかったとされる。日銀法42条の大蔵大臣による日銀に対する一般的監督権は有効であり、さらに第47条に基づく内閣または大蔵大臣の日銀役員の罷免権が有効であるため、とされたのである。

 また、政策委員会を日銀内部に設置するにあたり、従来の日本銀行理事会あるいは参与制度の上に政策委員会を設けるのは、屋上屋を架するものであって無意味に近く、政策委員会が睡眠委員会(スリーピング・ボード)となる可能性が大きいとの意見もあったようであるが、この意見は結果として正しい見方となったようである。これは旧日銀法がのちに改正されるひとつの要因ともなった。


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by nihonkokusai | 2012-06-05 09:47 | 日銀 | Comments(0)
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