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日米欧の長期金利反転のきっかけとは

 2012年5月18日にドイツの10年債利回りは一時1.396%まで下げ、データが残っている中での最低利回りを記録した。また、同日に英国債の10年債利回りも一時は1.808%まで下げ、記録が残る中での最低利回りを記録した。米国の10年債利回りは9月23日につけた1.67%近辺まで利回りが低下している。

 日本の10年債利回りも18日に一時0.815%と2003年7月以来の水準に低下した。また20年債利回りも一時4.5毛強の1.570%と2010年8月以来の水準に、30年債利回りも4.5毛強の1.730%と2010年9月以来の水準に低下した。ただし、日本の長期金利の最低記録は2003年6月11日に30年債が0.960%、20年債0.745%、そして10年債0.430%とそれぞれ過去最低利回りを記録しており、まだその水準までには達していない。

 先日のコラム「日本の長期金利はどこまで下がるか」の中で、現在の長期金利の水準はかなり警戒ゾーンにあることを指摘した。これは日本ばかりではなく、過去最低水準をつけているドイツ、英国、さらに米国の国債についても同様であろう。

 これをバブルと呼んで良いのかはわからないが、これらの国債に資金が流入する背景としては、欧州の信用不安がなかなか収まらず、特にギリシャのユーロ離脱という懸念が残り、安全資産としてこれらの国債に資金が流入している。

 ただし、これには信用不安を少しでも緩和するために、日銀やFRB、ECB、イングランド銀行によるこれまでの国債の買入や積極的な資金供給も影響している。積極的な資金を供給しても、行き着く先は国債という安全資産となる。これは長期金利の低下を促すものの、その長期金利の低下によって不安が解消されるわけでもなく、景気に対する影響もここまで金利が下がってしまうと効果も限定的となる。

 為替の変動や株価の下落、また景気が少しでも悪化傾向となると日本に限らず、欧米でも出てくるのは中央銀行への期待であり、それに応えるとなれば、結果として国債はさらに買われることになる。しかし、その根本には欧州が抱える不安があり、もし国債に資金が回る構図に少しでも変化が出てくるとなれば、その欧州の不安が解消の方向に向かう時となろう。

 現状ではそのきっかけは掴めない。しかし、ギリシャについては6月17日の選挙で一つの結果が出る。これでもしギリシャのユーロからの離脱が避けられることになれば、不安材料がひとつ後退することになる。それは日米独英の長期金利反転のひとつのきっかけとなりうる。もちろん反対にユーロ離脱も避けられないようなことになれば、欧州の問題はさらに深刻化する懸念もある。

 ただ、過去の相場を見る限り、相場の反転は事前に予想されていたものというよりも、意外な要因がきっかけとなることも多い。また、気が付いたら反転していたということも多い。一時的な反動かと思っていたら、そのまま流れが変わっていたこともある。このあたりの流れを掴むには、市場動向を丹念に追ってゆくことも不可欠となろう。


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by nihonkokusai | 2012-05-23 10:08 | 債券市場 | Comments(0)
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