牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

今年も赤字国債発行法案の成立は目途が立たず

 4月5日に一般会計総額90兆3339億円の2012年度予算が成立した。日経新聞によると当初予算の成立が新年度にずれ込んだのは1998年以来14年ぶりとのこと。ただし、今年もまた財源を手当する赤字国債発行法案は、いまのところ野党の反対で成立の目途が立っていない。赤字国債発行法案が成立しないとなれば、38.3兆円分の執行ができなくなる。

 昨年も年度内に赤字国債発行法案は成立せず、法案成立は8月下旬まで遅れることとなった。昨年同様に当面の政策経費に対する資金繰りは、建設国債で賄える分とともに、月々の税収や政府短期証券の発行などで賄うことになろうが、ある意味綱渡りの状況となることに変わりはない。

 さらに今年度予算では、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に維持するための「年金交付国債の発行法案」も成立していない。これについては、8日の日経新聞が見直す方向で調整に入ったと伝えている。赤字国債発行法案での自民、公明両党の協力を条件に、交付国債を赤字国債に乗り換える案が浮上しているとか。その場合、今年度の赤字国債がその分増額される可能性が出てくるが、前倒し発行の調整分などがあるため、国債需給そのものには大きな影響は与えないとみられる。

 ちなみに先日、公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、年金給付のために積立金の一部を取り崩す金額は、8兆8711億円になると発表した。これは団塊世代が年金受給世代に入ってくることで、年金の支払い総額が増加する事に加え、交付国債の引き受け分が加わることで、その分の取り崩し分も加わり、取り崩し金額が前年度に比べて増加する予想となっていた。

 政府は、まずは消費増税引き上げ法案の成立を目指しており、それが可能となれば、赤字国債発行法案の発行法案も同時に成立させようとの意図なのであろうか。とにもかくにも、昨年もぎりぎりまで赤字国債発行法案は成立せずとも、政府封鎖のような事態には至らなかったこともあり、昨年ほどの緊迫感はいまのところない。しかし、収入が確約されていない状況で、新年度入りしてしまっていることに変わりはない。

 昨年8月には赤字国債発行法案の成立の目処が立ったことにより、いよいよ菅前首相の辞任の条件がひとつ揃うこととなり、その後の退陣へと繋がることとなった。今年も赤字国債発行法案の成立の目処が立ったころには大きく政局が変化している可能性がある。

 消費増税について野田総理は政治生命をかけていると発言しているが、いまのところ法案成立のめどはまったく立っていない。民主党内の増税反対派とともに、自民党など野党の動向次第の面もあろうが、先行きはかなり不透明感が強い。時間の経過とともに、消費増税だけでなく、赤字国債発行法案についても昨年同様に政争の具にされる可能性もあり、注意しておく必要がある。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-04-08 07:27 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー