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空席となりそうな日銀審議委員、空席が埋まりそうな米FRB理事

 4月4日に日銀の中村清次審議委員と亀崎英敏審議委員は任期満了となるが、後任がまだ決まっていない。亀崎委員の後任人事の提示が見送られたのは、事前に候補者名が報じられ、これにより政府が今回の提示を断念したとの見解も示された。

 さらに中村清次審議委員の後任については、3月23日にBNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミストの河野龍太郎氏を起用する人事案を、政府は衆参両院の代表者会議に提示していた。

 ちなみに、日銀の審議委員とは日銀の役員であり、日銀法第23条によると、「審議委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」とある。つまり、両議院の同意が必要となる。

 河野龍太郎氏を起用する人事案に対しては、公明、みんな両党が反対を表明し、さらに最大野党の自民党も3日午後の国会同意人事審査会で、反対することを決めたそうである。こうなると5日に予定されている採決において、この人事案は否決される可能性が高まった。

 河野龍太郎氏の起用に対する反対意見としては、公明党は「金融政策の考え方に党内に異論あるため」とコメントしており、みんなの党の渡辺喜美代表も、「あまりにも役所寄りのスタンスが激しいので反対する」とのコメントがあったようである。自民党については、山本幸三衆院議員は「インフレ目標政策に反対しており、日銀寄りの発言しかしていない」との指摘もあった。

 今回の人事案では、現在の審議委員が学者や産業界出身者が多いこともあり、個人的にも金融市場に近い関係者が一人出てくるのではないかとの期待を持っていた。その期待通りとなったものの、このようなかたちで反対が起きるとは予想できなかった。この動きを見る限り、以前の日銀総裁人事でのゴタゴタについて、いっこうに懲りていないようにも見受けられる。

 これは日本ばかりでなく、米国でも同様の事態が起きていた。2011年6月、ノーベル経済学賞を受賞したピーター・ダイアモンド・マサチューセッツ工科大学教授は、FRB理事候補を辞退することを表明した。これはダイアモンド氏のFRB理事就任に対し、上院銀行委員会で承認されたものの、シェルビー上院議員(共和党)などの反対で上院本会議での承認が拒否されていたためである。このときの理事就任の反対理由として共和党のシェルビー上院議員は、同氏が金融政策分野での経験が浅いと批判していた。

 このような経緯もあり、FRB理事についてはなかなかなり手がいない事態となり難航していた。しかし、3月30日にハーバード大経済学部教授のジェレミー・スタイン氏と、プライベートエクイティ会社カーライル・グループの元幹部、ジェローム・パウエル氏が米上院銀行委員会で承認されたことで、このあと上院本会議で承認投票が行なわれ、上院で正式承認されると、2006年4月以来、FRBの理事ポスト7人全員が揃うこととなる。

 これに対して、このままでは日銀は5日以降、2人の審議委員席が空席となる。このようなかたちでの反対が起きては、後任の審議委員人事はさらに難航することも予想される。米FRBがやっと理事が揃うかもしれないときに、今度は日銀が審議委員は2人欠員のまま新年度の決定会合を迎えることになりそうである。


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by nihonkokusai | 2012-04-05 09:31 | 日銀 | Comments(0)
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