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消費増税の動向に鈍感な国債市場

 民主党執行部は消費税率を引き上げるための法案の事前審査で、前原政策調査会長は追加増税を削除するなど新たな修正案を示したうえで、今後の対応について一任を求め、28日未明に議論を打ち切った。

 これに対し消費税率の引き上げに慎重な議員らは「議論は尽くされていない」などとして強く反発している。政府は民主党の了承を経て、30日に閣議決定し国会に提出する方針だが、民主党内での造反リスクも高まっているという(28日日経新聞)。

 野田総理は消費増税に対して政治声明をかけると表明しているが、民主党内でも大きな壁が存在し、また連立を組む国民新党も反対している。もし衆院本会議での採決で、党内から50人あまりが造反すれば法案は否決されることとなる。自民党の行方も注目されるが、現在のところでは法案が成立する見込みは立っていないように思われる。

 日本の長期金利が低位安定している、つまり国債価格が安定している理由のひとつに、将来の増税の余地があるためとの見方がある。もしそうであれば、この消費増税を巡る動きは国債の売り要因となってもおかしくはないが、国債市場はほとんどこれを材料視していない。

 日本国債の需給が安定していることが価格安定の最大の要因であることも確かであろうが、消費増税の行方にここまで鈍感となっているというのも腑に落ちない。消費増税は間違いなく実施されるであろうとの楽観的な見方が市場を支配しているわけでもないはずである。むしろ、財政再建の先送りは今に始まったことではなく、もし今回、消費増税法案がたとえ廃案となろうが、それで国債を売ってもまた買い戻せざるを得ないとの認識であろうか。

 ユーロ圏の国では、ギリシャ発の信用不安により各国とも財政再建に向けた動きに神経質になっている。少しでも財政再建が遅れるような兆しがあると、当該国の国債が売られたりする。しかし、日本の場合には国債が長期にわたり安定消化され続けており、そう簡単には需給バランスが崩れることは想定しづらいため、思惑などによる売りは損失をもたらす結果になる可能性は確かに高い。つまり日本の場合には財政再建の遅れに対して、国債市場が警鐘を鳴らすようなことにはなっていない。だから消費増税反対派も強気の姿勢で臨める面もあるのかもしれない。


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by nihonkokusai | 2012-03-29 09:50 | 国債 | Comments(0)
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