牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

日銀による追加緩和の可能性

 3月8日のECB理事会では、主要政策金利であるリファイナンス金利を1.00%に据え置くとともに、下限金利の中銀預金金利も0.25%に、上限金利の限界貸出金利も1.75%に、それぞれ据え置いた。

 理事会後の記者会見でドラギ総裁は、ECBが実施した2月末の3年物資金供給5300億ユーロのオペに関し、オペが成功したことに疑問の余地はないとし、リスク環境は大幅に改善したとコメントした。

 8日にはイングランド銀行のMPCも開催されたが、こちらも政策金利は据え置き。総額3250億ポンドの量的緩和策についても、現状維持となった。

 そして13日にはFOMCが開催される。今後のFRBの金融政策について、WSJはFRBの当局者の話として、「景気てこ入れへ新たな措置が必要と数カ月先に判断される場合に備え、将来のインフレに対する懸念を抑える形で債券購入を行う新たな種類のプログラムを検討している」と伝えている。

 これはFRBの長期債購入で供給された資金に対し、リバースレポを実施することで実質的に縛りをかけるとか。QEが将来のインフレにつながる懸念を和らげることが目的だそうである。

 FRBは現在、ツイストオペを実施しているが、買うものは市場にかなり存在していても、売るものについてはFRBの保有分に限られる。このため今後は、長期国債を購入し、それで市場に流出した資金を吸い上げるというECBのような政策を考慮に入れているように思われる。このあたりについて13日のFOMCで何らかの示唆があるかもしれない。

 そして12日から13日にかけて日銀の金融政策決定会合も開催される。日銀は前回の会合において、実質的なインフレ目標を設定した。さらに緩和強化をはかるため、基金の増額も行った。 資産買入等の基金をこれまでの55兆円程度から65兆円程度に10兆円増額し、その増額対象は長期国債(期間1~2年)とすることを決定した。資産買入の中での長期国債の買入額は従来の9兆円から19兆円に増額された。  これにより2年債の利回りは0.1%近辺に低下した。超過準備につく金利が0.1%であり、2年債の利回り低下は限界にきている。また日銀が基金オペで残存1~2年の国債を吸い上げるにも市場で流通しているものには限度もあろう。このため、基金オペの買入対象となる国債の期間を長期化するのではとの見方もある。

 いずれその可能性はあると思われるが、今回の決定会合ではそのような追加的な政策は決定されず、今回は現状維持となると思われる。前回で決定した追加緩和の効果を見極める必要があるためである。期末ということはあるが、特にここで追加緩和をしなくてはならないような状況にあるわけでもない。ただし、成長基盤強化を支援するための資金供給の期間の延長などを行ってくる可能性はある。

 日銀が実質的なインフレ目標を採用したものの、消費者物価指数は前年比マイナスの状態にある。この状況下、いずれ日銀は追加緩和を行う可能性は高い。それでも、基金オペの買入対象となる国債の期間の長期化については、通常の国債買入にある日銀券ルールのような歯止めがない分、慎重になってくることも予想される。このあたり、どのように判断してくるのかも見極めたい。

 また、日銀については4月4日が任期満了となる中村清次審議委員と亀崎英敏審議委員の後任人事についても気になるところである。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-03-12 09:53 | 日銀 | Comments(1)
Commented by 日銀審議委員人事 at 2012-06-19 18:05 x
http://www.bootsugg.jp
自民党は19日午後、政府が提示した2人の日銀審議委員人事案に同意することを正式に決めた。公明党もきょう午前に同意方針をすでに決定しているため、今回の人事案は国会で賛成多数を得て同意される見通し。日銀は4月以降続いた審議委員の空席がようやく埋まることとなる。
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー